なぜ、犬がなつく人となつかない人がいるのでしょうか?その理由は、なつく人の行動に特徴がありました。今回は、なつく人となつかない人の違いと、犬が人間になつく方法とコツについてご紹介します。
犬が人間になつくのはなぜ?
犬は人間になつきやすい動物ですが、その理由について考えたことはありますか?人間と犬との関係には、長い歴史があるのです。
人間と犬の関わりは1万年以上も前から
犬は、本来肉食で、群れを作って狩をする動物であったといわれています。人間と犬の祖先は、1万年以上前から生活を共にしていて、人間が犬に食べ残した動物の内臓や骨を与え、犬は「番犬」として、群れの一員である人間の生活を、獣などの外敵から守っていました。この共生は、人間と犬において長い歴史があります。
犬が人になつく理由は犬の習性によるもの
犬は非常に賢い動物で、群れを作る習性から、群れ(家族)の中で、様々な行動をとります。
例えば、群れのリーダーを見極める、群れにおける自分の順位付けをする、家族の役割を把握する、ご飯をくれる人(リーダー)の指示に従う、強いものに媚を売る、といった行動をとることがあるのです。
これらは、群れで狩をしていた犬の習性の名残で、現代の「飼い犬」としての人間との生活でも、群れ(家族)のリーダーを中心とした生活を送っているので、自分より格上だと感じる人には、犬はなつきやすくなります。
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人になつきやすい種類の犬っているの?
犬の種類によっては、確かに人になつきやすい犬種となつきにくい犬種があります。
人懐っこい性格の犬種
人が好きで、人懐っこい性格の犬は、愛嬌があって可愛いのでついつい甘やかしてしまいがちです。
たくさんの犬種の中でも、パグ、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、トイプードル、ポメラニアン、シーズーなどは、人になつきやすい犬種だといわれています。
攻撃的な性格の犬でも接し方ではちゃんとなつく!
テリア系など、攻撃的な傾向がみられることのある犬種もいます。しかし、子犬の頃から社会化と適切なしつけを行う、といった接し方次第で、精神的に落ち着いていて、穏やかな性格の犬となり、人間になつきやすくなります。
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犬がなつく人となつかない人の違いは?
では、犬がなつく人となつかない人の違いについて考えてみましょう。飼い犬がなつかない場合は、もしかしたら、無意識に犬が嫌がることをしているのかもしれません。
犬がなつく人の特徴
すぐに犬が懐く人には、行動や仕草に共通点があることが多いようです。
犬に嫌な思いをさせないことで、警戒心を解くことができますので、もっと犬になついてほしいと感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 高い位置から急に触らない
- 正面から目を合わせない
- 大声を出したり、高圧的な態度を取らない
- 自分から近づかず、手の甲や握りこぶしを出してにおいを嗅がせている
- ゆっくり動き、犬を驚かせるような動きをしない
- 犬のペースも考えて行動できる
- 犬にとって楽しい、嬉しいことをしてくれる人
- 犬の動作や細かい仕草をよく見ている
犬がなつかない人の特徴
反対に、犬がなつきにくい人にはどのような特徴があるのでしょうか。
日頃から「自分は犬になついてもらいにくい」と感じている方は、犬にとって不快に感じる行動をしていないかを思い返してみましょう。
- 犬の正面から目を合わせる
- 犬が自分より下の地位だと思われている(犬にバカにされている)
- 犬を急に触るなど、予測不可能な動きをする
- 大声を出したり、叩く、高圧的な態度をとる
- 日頃、飼い犬のお世話をしていない
- 犬にとって怖いこと、嫌なことをする人
>>>愛犬だけでなく、他の飼い主さんとの接し方が間違っていないかも見直してみませんか?
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あなたの愛犬はなついている? 行動から読みとる犬の気持ち
犬は、人間のように言葉を話すことはできませんが、ボディーランゲージから感情を読み取ることができます。
「犬は自分になついている」と思っていたのに、実は大きな勘違いだった!ということになってしまわないためにも、基本的な犬のボディーランゲージを知っておきましょう
しっぽを振りながら吠える:「犬が喜んでいる」と早まらないで!
愛犬が尻尾をブンブン振りながら吠えている場合は、犬が興奮状態の時の合図です。多くは喜んでいる場合が考えられますが、状況によっては注意すべきケースもあります。犬が喜んでいるようにみえますが、犬が緊張している時の合図でもあるので注意して犬の様子を観察しましょう。
嬉しい!楽しい!という喜びの興奮
大きく尻尾を振りながら吠える場合は、飼い主さんが帰ってきて、嬉しさを表現する時や、ボールを投げて欲しくて催促するような、犬がワクワクしている時の表現の一つです。
警戒や緊張などの興奮
尻尾を高く上にあげた状態で小刻みに尻尾を振りながら吠える場合は、見知らぬ人が急に家に入ってきた時などの警戒や緊張を感じている時の表現の一つとなります。
緊張と攻撃性からくる興奮
上半身を低くして唸りながら、低い位置で尻尾を振って吠えている場合は、極度の緊張と攻撃性を示す表現ですので、次の行動には注意が必要です。
噛んだ後に舐めてきた:「反省してるから許してあげる」NG行動!
犬が人間を噛んだ後に手をペロペロと舐めることがありますが、これは反省しているからではありません。
「噛んでごめんなさい」や「痛い?大丈夫?」という感情は犬にはありません。むしろ反対で、人間を噛んだ後に手を舐めるのは、「怒らせるとこうなるぞ!」「わかったか!」「自分の方が強いんだ!」という権威をアピールする行動です。
飼い犬として人間と共に生活をしていくためには、甘噛みを始めた時点で「痛い!」「噛んではいけない!」ということを教えていかなければなりません。可愛いから、舐めて反省しているように見えるから許してあげる、というのは、犬の他の問題行動を助長させる可能性もあります。飼い主さんがしっかり犬に噛んで良いものと悪いものを教えてあげなければなりません。
足元で腰をフリフリ:「なついていて可愛い」は勘違いかも!
犬が飼い主の足に飛びついて腰を振っているのに、やめさせない飼い主さんがいますが、これはすぐにやめさせるべきです。いつも飼い主さんにべったりくっついて、なついているので可愛いと感じるかもしれませんが、これは「マウンティング」という行為で、犬の社会においていくつかの意味を持ちます。
マウンティングとは、以下のような行動を指します
- 犬自身が相手よりも優位であることを示す行動
- 発情、興奮している際の性行動
- 嬉しい感情表現
- 犬同士のコミュニケーションや遊びの中の行動
避妊去勢手術を行なっていても犬はマウンティングをします。飼い主や家族、同居犬にマウンティングを行う癖がある犬は、可愛い顔で飼い主さんを見つめながらも「自分の方が強いぞ!」「立場が上なんだぞ!」と思っていることがあるので、注意が必要です。
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犬になついてもらうのが夢! コツや方法はあるの?
犬が自分になつくようになりたい!という人は、積極的にコミュニケーションを取ろうとせずに、まずは犬の様子を観察してみましょう。犬にも性格があるので、犬のことを理解しようと行動すれば、仲良くなれるチャンスがやってくるかもしれません。
犬が人になつくまでの期間
犬は、危険を察知すると、逃げたり隠れたり、距離を取ろうとします。特に子犬から一緒に過ごす犬よりも、成犬、保護犬は、人になつくまでに時間がかかることが多いです。子犬でも成犬でも、出会ってたった数日で信頼関係が築けることはありません。
犬がどれくらいの期間で自分になつくかどうかにとらわれるよりも、数週間、1ヶ月、半年、1年と時間をかけて、毎日信頼関係を築ける行動をとることが、自然に犬と仲良くなれる最短の方法です。
犬に嫌われる行動は控えよう
犬が近寄ってこない、嫌われる、追いかけられる、噛まれるという人は、無意識に犬に何らかの影響を与える行動をとってしまっている可能性があります。
急に動く、急に触る、大声を出す、追いかける、高い位置から頭を触ろうとする、身振り手振りが大きい、正面から犬の目を見ている、いつも決まった特徴的な格好をしている(作業着、サングラス、ヘルメット、マスク、帽子など)、香水が強いなどこういった行動を嫌がる犬もいます。
いつも犬が逃げたり、怖がる様子を見せるなら、無視をして、犬が嫌がる行動をしないことが大切です。
犬と仲良くなるためのコツ
犬と仲良くなるには、今までの接し方を変えてみましょう。人間が緊張せずに、自然な状態でいることが一番大切なことです。
- 仲良くなりたいなら無理に触ろうとせず、待つことが大事
- 犬の目を真正面から凝視しない
- 急に動かずじっとしていて、近づいて来たら手の甲のにおいを嗅がせる
- 帽子やサングラスを外して、優しい声を出す
- 自分が緊張しないで自然に接する
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なついているはずだけど、言うことを聞いてくれない場合
犬のお世話を一生懸命に行い、なついているはずだけど、なぜか犬が指示に従わないという場合は、犬が混乱して、指示を理解できていない場合があります。
飼い主さんの指示が聞き取れていない可能性あり
中には、同じ指示に飽きて、わかっていてもやらないという犬もいますが、もしかしたら飼い主さんの指示を聞き取れていない可能性があります。これは声が小さいからではないので、言うことを聞かないからと声のトーンを上げることで、犬が萎縮して余計に言うことを聞かなくなるので注意しましょう。
指示を出している環境が、静かな場所でない時や、他の犬がいるなど外的な刺激が強い場合は、飼い主さんの声に集中できていないのです。信頼関係を築くためには、静かな環境で、飼い主さんと1対1でゆっくりしつけを行う時間も必要です。
しつけの際には英語での指示が有効かも
犬は人間の幼児ほどの能力があり、言葉を聞き分けることができるといわれていますが、指示を出す際には、飼い主さんが言葉を選んで覚えさせることが大切です。
例えば、座らせる指示語には、「おすわり」「座って」「スワレ」「Sit」などがありますが、日本語は様々なバリエーションがあるので英語で「Sit(スワレ)」とわかりやすく指示を出してあげると、犬が混乱せず指示に従いやすくなります。
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関連記事:犬へお座りの教え方!しつけの基本をマスターしましょう!
正しい接し方で犬になついてもらおう
今回は犬がなつく接し方、なつかない接し方をご紹介しました。犬にも人なつこい犬や怖がりの犬など様々な性格があります。人間が緊張しせず、犬が怖がらないような動きを心がけてあげることで、人間と犬との距離は縮まります。もし、周りに犬がなつきやすい人がいたら、その人の動きを見て真似をしてみると、接し方のコツを学ぶことができるかもしれません。正しい接し方を学んで、犬がなつく人を目指しましょう!
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