普段は大人しいのに、散歩中に他の犬を見かけただけで吠えて落ち着きが無くなるわんちゃんはいませんか?
吠えているうちに、お互い興奮して喧嘩状態になってしまうと大変です。
わんちゃんにも吠えてしまう理由があるので、それを理解し、吠える行動を改善させるトレーニングを行いましょう。
なぜ他の犬に吠えるの?犬の気持ちを理解しよう
わんちゃんにこんな行動は見られませんか?
・他の犬が通り過ぎただけで吠える
・高圧的な態度で吠える
・見かけた他の犬に対して吠えながら追いかける
・向かってくる他の犬に対して「ウーッ」と唸る
などに当てはまり、悩む飼い主さんも多いのではないでしょうか。
では、なぜ吠えてしまうのでしょうか。
・子犬のときの社会化不足
わんちゃんが他の犬に吠えてしまう主な原因は、社会化不足によるものです。
相手のわんちゃんに対し「こっちに来ないで!」「近づかないで!」といった恐怖心や警戒心から吠えています。
本来であれば、犬は生まれた時から集団行動で生活し、その環境の中で上下関係や犬社会のマナー、他の犬との挨拶の仕方を学んでいきます。
しかし、ペットショップやブリーダーから子犬のときに家庭に引き取られ、他の犬との交流がなく、人間に甘やかされて育てられたわんちゃんは、「自分以外の犬」に対しての接し方、犬社会を知りません。
子犬のときのこうした経験不足は、成犬になってから教えるのは根気と努力がいることを理解しておきましょう。
・飼い主さんが叱る、リードを引っ張る
恐怖心から相手に吠えているところに、飼い主さんから「だめ!こら!」と叱られると、わんちゃんはますます怖くなり吠え続けてしまいます。
なぜ叱られているのか分からず、また怒られる前に一生懸命相手を威嚇して吠えようとするのです。
さらにリードを引っ張って止めさせようとする飼い主さんも多いようですが、これも同じようになぜ引っ張られているのかわんちゃんが理解するのは難しいです。
吠えているからといって頭ごなしに叱ったり、リードを引っ張るのは逆効果なので止めましょう。
特にリードを引っ張る行為は健康被害にも繋がりかねないので危険です。
・吠えることで相手に対し優位になった経験
他の犬に対して吠えたところ、相手のわんちゃんがたまたま大人しい子だったため、無視するように立ち去ったとします。
すると「自分が勝った」「吠えたことで相手が立ち去り、優位に立った」と思い込んでしまうのです。
この経験を一度してしまうと、他の犬に対しても見かけただけで吠え続けようとします。吠えることで常に自分が上に立とうとします。
逆に、相手のわんちゃんに何か怖い思いを受けた苦い経験から、威嚇する目的で吠えてしまうケースもあります。
・遊びたくてはしゃいでいる
中には遊びたくて吠えているわんちゃんもいます。
吠えて追いかけるわんちゃんは、相手の犬に対して好奇心を持ち、近づこうとします。
しかし、相手のわんちゃんからすると、興奮した相手に追いかけられ、はしゃぐように吠えられることは不快に感じる子もいますし、お互い興奮してケガを負ってしまっては大変ですので、出来ればこの行動も対策させるほうが良いでしょう。
・本来持つ本能、犬種によるもの
元々の性格による場合もあります。
特にドーベルマン、シェパード、ボクサー、ピンシャー、ブルドッグなどは警戒心が強いとされており、他の犬に対し威嚇目的で吠える傾向も多いようです。
おすすめの対処法をご紹介!
わんちゃんにトレーニングを行う前に、まずは飼い主さんとの主従関係がしっかりと出来ている必要があります。
飼い主さんがリーダーとなり、普段から「待て」「伏せ」「座れ」など、基礎のコマンドを利用したしつけが出来ているようにしておきましょう。
わんちゃん同士の挨拶になれましょう
子犬の頃の社会化不足を補うため、まずは他の犬に慣れているわんちゃんに協力してもらいましょう。
気になるわんちゃんを見つけたら、その子の飼い主さんに挨拶をさせても良いか確認を取ります。
出来るだけ同じような体格のわんちゃんが良いでしょう。
しかし、相手のわんちゃんが興奮していたり、犬同士の交流を好まない飼い主さんもいますので、その場合は他のわんちゃんを見つけるようにしましょう。
優しい友達犬がいたら、その子にお願いするのも良いですね。
飼い主さんの了承を得たら、わんちゃん同士がギリギリくっつかない距離を保たせ、お互いを観察させます。
このとき、飼い主さんはお互いのわんちゃんの様子をしっかりと見てあげましょう。
・興奮している
・毛を逆立てる
・尻尾が下がって耳が垂れている
このような様子を見せている場合は、相手を威嚇したり怖がっているので、無理に挨拶を続けさせず、そっと離れさせましょう。
わんちゃんにも、私たち人間と同じように相性がありますので、お互い好意的でない場合は中断させることも大切です。
お互い相性が良く、問題なさそうであれば、わんちゃん同士を近づけます。
お尻の匂いを嗅ぎあうところまで出来たら犬同士の挨拶は完了です。
挨拶ができたわんちゃんをしっかりと褒めてあげることで、わんちゃんにとっても楽しい経験になります。
飼い主さんに注目をしてもらいましょう
遠くに他の犬を見かけたら、わんちゃんがそちらに興味がいく前に名前を呼び、飼い主さんに注目させます。
「座れ」の状態で飼い主さんにアイコンタクトを取らせ続け、他の犬の方に目を向けさせないようにしましょう。
自分に注目させることで、「飼い主がいれば何も怖くない」とわんちゃんに覚えさせるのです。
わんちゃんが飼い主さんに注目出来ている間は、「えらいね」「おりこうだね」と優しく褒め続け、他の犬が通り過ぎるのをひたすら待ちましょう。
このときに他の犬に注目してしまう場合はおやつ等を与え、落ち着かせてまた名前を呼びアイコンタクトを取らせます。
吠えずに座り続けることが出来たらまた最後に褒めてあげましょう。
また、「座れ」の姿勢は、犬社会では「私に関心を持たないで、そっとしておいて」というサインとなります。
他の犬も座った姿勢のわんちゃんを見ると冷静になることが多く、吠えられる機会が少なくなりますので、「座れ」の姿勢はこのトレーニングにおいて非常に有効となります。
しかし、先述した通り、このしつけの成功には普段から飼い主さんとの主従関係が成り立っており、基礎のしつけが出来ていることが条件となります。
まずは飼い主さんがリーダーとなって、わんちゃんの緊張を解いてあげるようにしましょう。
どうしてもだめなら、そっと避けましょう
どうしても相性が良くないわんちゃん同士だったり、「座れ」の姿勢を理解していないわんちゃんに吠えられ続けたりなど、難しい状況の場合は、そっと立ち去ることも有効な手段です。
他の犬とすれ違う際、真正面から近づけさせることは「対戦」を意味しますので、飼い主さんはわんちゃん同士の間に立ってあげましょう。
そのまま何事もなかったかのようにすれ違い、その場を立ち去ります。
飼い主さんが緊張したり戸惑ったりすると、その緊張感がわんちゃんにも伝わってしまい、ますます興奮させてしまいますので、あくまでも余裕をもって歩きましょう。
逆に、相手のわんちゃんが興奮状態にあり吠え続け、こちらのわんちゃんも威嚇し始めるようでしたら、さりげなく方向転換して引き返すことも大切です。
まとめ
他の犬に対して吠えてしまうのは、何かしら必ず理由があります。
また、私たち人間と同じように、わんちゃんにもそれぞれの個性や性格があります。
元々大人しくまったく吠えない子や、怖がりですぐに吠えてしまう子、人見知りせず他のわんちゃんに吠えながら遊びを要求する子など、様々なわんちゃんがいます。
愛犬の性格や特徴を理解し、その子にあったトレーニングを見つけて実践していくことが大切です。
成犬の場合のトレーニングは根気がいることですが、繰り返し続けていくうちにわんちゃんも理解し、吠える行動が改善されるでしょう。
ただし、無理をさせてしまうと逆にますます問題をこじらせてしまう場合が多いので、わんちゃんの状態に合わせるよう常に心掛けてあげることも重要です。
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