犬アレルギーの原因と症状・検査方法は?一緒に暮らすためにできる6個の対策と治療法 犬アレルギーの原因と症状・検査方法は?一緒に暮らすためにできる6個の対策と治療法

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犬アレルギーの原因と症状・検査方法は?一緒に暮らすためにできる6個の対策と治療法

犬が大好きな人はたくさんいますよね。散歩中の犬を撫でさせてもらったり、ペットショップで子犬を見て癒されたり。中には飼っている人もいるでしょう。でも触れた後になぜか目が痒い、咳が出るなど風邪に似たような症状が出たことがある人もいるのでなはいでしょうか。それはもしかしたら「犬アレルギー」かもしれません。しかし飼っている人ならできれば一緒に生活したいですよね。そんな方でも犬と一緒に生活できるよう、犬アレルギーの対策・原因をまとめました。

いきなりかかることもある犬アレルギー

犬アレルギーとは?

アレルギーにはさまざまな種類があります。その中に、犬アレルギーというものが存在するのはご存知でしょうか?

犬アレルギーとは犬の唾液やフケ、毛などといったアレルゲンが原因でアレルギー反応が起き、咳や鼻水、目の充血などの症状が出る疾患です。
性別や年齢に関係なく発症し、犬を飼っている飼い主さんが突然犬アレルギーになってしまうこともあります。

また、自分が犬アレルギーだと知らず、犬を家に迎え入れてから自分が犬アレルギーだと気づいた方も少なくないです。

犬アレルギーの原因は?

犬には体内で生成される7つのアレルギー物質、「Can f1」、「Can f2」、「Can f3」、「Can f4」、「Can f5」、「Can f6」、「Can f7」があります。
「Can f」は「キャンエフ」と読み、犬の学術名です。その後の数字はアレルゲンが見つかった順番です。

    • 犬の毛やフケ、唾液に多く含まれている「Can f1」

犬の毛やフケ、唾液に多く含まれる「Can f1」は、人間が犬と触れ合ったり舐められたりすることでアレルゲンとなってアレルギー症状が出ます。

犬アレルギーの人のうち、約52%はこのアレルゲンが原因で犬アレルギーの症状が出ます。このアレルゲンは非常にサイズが小さいため、ホコリ等の微粒子に付着して空気中を漂っています。

    • 「Can f2」はたくさんの生物にアレルギー反応が出る

「Can f2」も「Can f1」と同様、犬の毛やフケ、唾液に多く含まれています。
このアレルゲンでアレルギーを起こす人はネコ、ウマ、ウシ、ラット、ネズミ、ゴキブリなどの類似物質を持つ生物にも反応すると言われています。

    • 猫アレルギーの人がなる犬アレルギー「Can f3」

犬の血清中に多く含まれる物質「アルブミン」で構成されています。

    • 犬のアレルゲンの原因で2番目に多い「Can f4」

「Can f4」は脂質輸送タンパク質という物質で、犬のフケに多く含まれているアレルゲンです。犬アレルギー人の約35%がこの物質が原因だといわれています。

    • 犬の尿に多く含まれるアレルゲン「Can f5」

「Can f5」は犬のおしっこに多く含まれるアレルゲンです。

    • 犬の毛やフケ、唾液に多く含まれる「Can f6」

「Can f6」は「Can f1」や「Can f2」と同じように犬の毛やフケ、唾液に多く含まれています。

    • 最近発見されたアレルゲン「Can f7」

2016年に新しく発見されたアレルゲンが「Can f7」です。細胞小器官に含まれるタンパク質で構成されています。犬アレルギーの人のうち、約10%の人はこのアレルギーが原因でアレルギー反応が発症します。

大人になってからいきなり犬アレルギーが発症するのはなぜ?

大人になってから急にアレルギーが発症するのは、「免疫の過剰反応」が原因だとされています。

体力のない子どもや高齢者が起こりやすいと言われていますが、最近では若い人もストレスによって免疫バランスが不安定になり、免疫の過剰反応が起きていると言われています。

特に女性の場合、不眠やストレスによって女性ホルモンのバランスが乱れ、免疫が正常に機能しなくなって発症すると言われています。更年期や閉経を迎えるにつれ、可能性が高くなっていくので注意しましょう。

犬アレルギーの症状

目のかゆみや充血

犬に近づくと目がかゆくなったり充血するのは犬アレルギーの症状で、重症化すると目が腫れてしまいます。アレルギー症状の中でもわかりやすい症状なので、この症状が出たらすぐにお医者さんに相談しましょう。

咳き込んだり鼻水やくしゃみが出る

この症状は風邪をひいたときと似ているので、単なる風邪と勘違いする場合が多いです。

喘息が起きる

元々喘息を持っていた人は、それが悪化してしまう恐れがあります。また、喘息を持っていない人でも喘息を起こすきっかけになる場合があります。

じんましんや湿疹により皮膚のかゆみ・赤くなる

じんましんや湿疹による皮膚のかゆみや赤み、腫れなどの症状が出ることがあります。
また、湿疹は外側の皮膚だけではなく粘膜にも症状が出ることがあり、呼吸困難などの重い症状につながる恐れもある怖い症状です。

下痢や嘔吐

上記の症状を放置していると、下痢や嘔吐といった症状も出てくるようになります。犬アレルギーの疑いがある場合はすぐにお医者さんに見てもらいましょう。

赤ちゃんや子どもの犬アレルギーの症状

犬アレルギーの赤ちゃんも大人と同じような症状が現れる

赤ちゃんや子どもの犬アレルギーも、大人とほぼ変わらない症状が現れます。
しかし、赤ちゃんや子どもは大人と違って、症状を上手く伝えることができません。そのため、犬を飼い始めた場合は赤ちゃんや子どもの体調をよく観察し、注意しましょう。

犬アレルギーかを検査する方法

RASTテスト

RAST検査とは血液検査でアレルギー症状を引き起こす原因であるアレルゲンは何かを個別に調べる検査です。アレルギーと一口で言ってもいろいろなものが原因となりますが、どのアレルゲンがアレルギーを起こすのかを調べる検査です。

アレルギーがある場合、身体の中にアレルギーを引き起こすアレルゲンを受け取る抗体を持ってるのですが、これをIgE抗体といいます。
IgE抗体は、アレルゲンに触れてから約1~2時間程度で症状が現れるので、「即時型アレルギー」と呼ばれています。

RAST検査では例として、ダニに対するIgEやノミに対するIgE、スギに対するIgEを調べていき、その結果が高ければアレルギーがあると考えます。何を調べるかは動物病院で獣医師と相談して決めるといいでしょう。

プリックテスト

プリックテストとは、皮膚にアレルゲンと思われる物質を含む液体を少量注射して反応を確認する検査のことです。その後、皮膚が赤くなったりかゆくなったらその物質がアレルゲンであるとします。RASTのような血液検査では検査できない項目でも、プリックテストは皮膚に投与できれば疑わしいものに関して検査ができます。

この検査はまれにアナフィラキシーを引き起こすことがあるので、獣医師さんの説明をよく聞いて検査の必要性に関して理解してから検査を受けるかどうか決めたほうがいいでしょう。

犬アレルギーだけど犬を飼っている!アレルギーを抑えて愛犬と一緒に暮らす6個の方法

犬と居住スペースをわけてアレルゲンを体内に取り込まない

犬アレルギーの主な原因が犬の毛やフケ、唾液なので、居住スペースをわけることでアレルゲンを自分の体内に取り込まないようにする方法があります。

犬用の部屋を1つ作ってあげて、そこで生活させてあげましょう。そしてその部屋に入る際はマスクを着用しましょう。

犬用の部屋を用意できない場合、寝室だけでも犬が入れないようにしましょう。睡眠は1日の3分の1ほどの時間になります。この時にアレルゲンに触れているか触れていないかでも症状に大きな違いがあります。

こまめに部屋の掃除・換気をする

犬のアレルギーの原因となる物質は、基本的に空気感染によって人間の体内に侵入してきます。そのため、こまめに掃除・換気をすることで、部屋の中に漂っているアレルギー物質を取り除くことができ、予防にもつながります。

犬種によってアレルギーになりやすい犬となりにくい犬がいる

犬アレルギーの原因は犬の毛やフケ、唾液なので、抜け毛の少ない犬種を選ぶと犬アレルギーが起こりにくいとされています。飼う前なら抜け毛の少ない犬を飼うのもよいでしょう。

アメリカンケネルクラブという場所では、アレルギーでも飼いやすい犬を公表しています。公表されている犬種は11種類で、メキシカンヘアレスドッグやソフトコーテドウィートンテリア、シュナウザー、ポーチュギーズウォータードッグ、プードル、マルチーズ、ケリーブルーテリア、アイリッシュウォータースパニエル、チャイニーズクレステッドドッグ、ビションフリーゼ、ペドリントンテリアです。

しかし、公表されている犬種は医学的根拠があるわけではないので注意が必要です。

犬に触れたらよく手を洗う

犬に一番触れるのは手ですよね。その手には小さいアレルゲンがたくさんついている可能性が高いです。

そんな手で目をこすったり口元を触ったりしたら、自らアレルゲンを取り込もうとしているようなものです。犬と触れ合ったあとはよく手を洗い、アレルゲンを落としましょう。

空気清浄機を買う

こまめに掃除・換気をするといっても、冬の寒い時期や夏の暑い時期、花粉症の時期は窓を開けたくないですよね。そんな人には、空気清浄機がおすすめです。

購入する際はできるだけ安価なものではなく、HEPAフィルター付きのものにしましょう。
HEPAフィルターとは、JIS規格で

「定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子補修率を有しており、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター

」のことです。
つまり、小さな微粒子であるアレルゲンも99.97%吸い取ってくれる高性能なフィルターのことです。

こまめな掃除・換気に加えて、HEPAフィルター付き空気清浄機を併用すれば、さらに犬アレルギーの対策になります。

こまめに愛犬を手入れ・ブラッシング・シャンプーする

1999年に行われた実験で、犬をシャンプーおよびシャワーでゴシゴシ洗うと犬の毛やフケのアレルゲンを実に8割以上減らすことができたという結果が出ています。ただし、1週間に2回という高頻度で行わなければなりません。

また、こまめにブラッシングしてあげるのも有効です。犬の毛やフケの量を減らせば、それだけアレルギー反応も減らせます。
ただし、ブラッシングしている最中に舞う犬の毛やフケに対してアレルギー反応が出てしまう可能性が非常に高いため、できるだけ犬アレルギーを持っていない人にブラッシングしてもらうようにしましょう。

犬アレルギーは治る?

現状、犬アレルギーを100%治すことはできません。飲み薬や塗り薬などでその都度対策していくのが一般的となっています。

しかし、減感作療法という治療法を使えば人によっては犬アレルギーが緩和する可能性があるので、試してみるのもおすすめです。

抗ヒスタミン剤

ヒスタミンという体内物質がヒスタミン受容体と結合することで、アレルギー症状が起こります。抗ヒスタミン剤はヒスタミン受容体を塞ぐことで、ヒスタミンがヒスタミン受容体と結合できないようにする薬です。

ステロイド

ステロイドには抗アレルギー作用や免疫抑制があります。免疫の過剰反応によって起こるアレルギーですが、ステロイドは免疫の過剰反応に関わるリンパ球の作用を抑えてくれます。リンパ球の作り出す抗体の量が減るため、アレルギー症状が改善する働きがあります。

気管支拡張薬

気管支を広げる役目のある気管支拡張薬は、咳や息苦しさなどの症状を改善させる働きがあります。喘息にも効く薬なため、もしも犬アレルギーの症状が悪化して喘息が発症しても有効な薬とされています。

塗り薬

じんましんや湿疹による皮膚のかゆみや赤み、腫れなどの症状が出た場合、塗り薬で改善する場合があります。

目薬

犬に近づくと目がかゆくなったり充血するといった症状が出る場合、目薬を利用することで緩和されます。

鼻スプレー

犬に触れると鼻水やくしゃみが出てくる症状がある場合、鼻スプレーをすることで鼻の中のアレルゲンが洗い流されて改善する可能性があります。

減感作療法

減感作療法は症状の根本を治すことを目的とした治療法です。

まず低濃度のアレルゲンを体内に入れ、徐々にアレルゲンの濃度を高くしていき、体をアレルゲンに少しずつ慣らしていく方法です。
数ヶ月~数年にわたって治療するので時間がかかることや、中にはせっかく治療したのに効果が出ない人もいることがデメリットとして挙げられますが、うまくいけば症状を大幅に改善することができます。

これらの治療法に対する効果は人によってさまざまです。医師の指示のもと、適切な対応をしましょう。

犬アレルギーでも犬と幸せに暮らすために

犬が大好きなのにいきなり犬アレルギーになってしまった、または元から犬アレルギーだったということは非常に悲しいことです。しかし、犬アレルギーでも犬と一緒に暮らす方法はあります。犬の手入れをしっかりすること、飼い主さんがしっかりと治療することで、犬アレルギーでも大好きな犬と一緒に暮らすことができるのです。
ぜひ今回の記事を元に、犬を飼い、一緒に暮らしてください。

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