愛犬と車に乗って出かけようと思っても、もし車酔いをしてしまうタイプの子だった場合、飼い主さんはどのように対処すればよいのでしょうか?普段は元気でも車酔いをする犬への対応をまとめてみました。
犬の車酔いってどんな症状?
一般的に車に酔うというのは、小さな子供が起こす車酔いと似ているのですが、犬が起こす車酔いにはいくつかの特徴があります。例えば、子犬の時期から日常的に生活の移動手段として飼い主の家族と一緒に車に乗り込む機会が多い場合には、ほんど車酔いを起こさないものです。その一方で、例えば動物病院でのワクチンや健康診断、もしくは急病のときに車に揺られて気分が悪くなる犬の場合、「車は怖いもの、嫌なもの」というイメージが出来上がってしまっているのです。動物病院では緊張を余儀なくされ、場合によっては痛い思いをすることもあります。つまり、車に乗ること自体に抵抗を感じてしまい、その恐怖から車酔いを起こすことがあります。犬の気持ちになってみると、これはとても気の毒なことです。
車酔いをした犬は、嘔吐をします。そしてその前兆として口をクチャクチャと鳴らすことや、よだれ、生あくびなどを頻繁に繰り返すようになると確実に車酔いをしていると判断できます。車に同乗している人が、いち早くその様子を察知してあげることが大切です。
こんな症状があったら車酔いしているかも!?
車酔いを起こすと、まずはじっと座っていられなくなります。そわそわとして落ち着かない様子を見せ始めると、それは車酔いのサインです。それが数分続くと今度は口を開けて、ハアハアと速い呼吸(パンティング)をします。そのうち、犬によっては大量のよだれを垂れるようになり、生あくびを繰り返し、お漏らしをする場合もあるほどです。
下痢も車酔いの症状の1つなの?
人間でも極度に緊張をすると胃腸の具合が悪くなるものです。犬にとって、車酔いというのは強いストレスです。腸が敏感に反応して下痢を起こすことも多いわけです。車に乗ることは、それだけでも十分に環境の変化です。恐怖心がからだ一杯に広がり、ストレスが急激に胃腸を直撃することで、下痢を起こします。車酔いの症状の中でも下痢を起こしている場合には、今後のことを考えて動物病院に相談をして対処してあげましょう。
車酔いしない方法ってあるの?
せっかくのお出かけ時に、車酔いを起こす犬を見ているだけでもかわいそうです。そこで、車酔いをさせないために、飼い主ができることを挙げてみます。
・お迎えをした時期から日常的に車に乗る経験を積む
・動物病院に限らず、車に乗ると楽しいことがあると覚えさせる
これらの努力が必要です。飼い主ができることとしては、基本的に車に慣れさせる努力を怠らないことです。そしてむやみにスピードを出しすぎないようにして、原則、安全運転を心がけてください。飼い主の運転の癖というものがありますが、急発進や急ブレーキ、そしてカーブを曲がるときには速度を落とすなど、犬が同乗していることを意識した運転を身につけたいものです。これは犬と暮らすうえで、とても重要な運転マナーです。
車酔いが治らない!車酔いしやすい体質の子はどうしたら良いの?
車には、酔いやすいポジションがあります。つまり揺れが強い場所を避けてあげるべきなのです。車酔いをしやすい体質の子への対応として、できるだけ車の中心部分に乗せることを徹底してください。車酔いをする=車に揺られるということを、まずは理解しておいてください。例えば、小型犬などの場合、完全に伏せた状態で車に乗るのと、お座りをした状態を比べると、圧倒的にお座りの状態のほうが酔いやすのです。
もう一つは、外の景色を見ることで感覚のズレが生じてしまう場合です。これも、犬によって差があるのですが、窓の景色を見たがらない犬に、それを強要しないようにしてください。窓の景色を見ない分、酔いにくくなります。飼い主のちょっとした配慮によって酔いやすい体質の子でも、車内で少しずつ快適に過ごせるようにもなります。
クレートを使って車酔いを防止しよう
クレートは部屋の中だけで使うものではなく、車酔いをする犬にとっては、とても役に立つアイテムです。いきなり車のシートの上に座らせても、絶対にその緊張感は緩和されることはありません。かえって落ち着かず自分のポジションを決めるまでに時間ばかりを費やしてしまうのです。そのうち車酔いを起こすという悪循環を回避するためにもクレートに入れた状態で同乗することをおすすめします。
そもそも、車酔いというのは体が安定しないことで起きることです。最初からクレートや犬専用のドライブボックスを準備しておくと、犬の体はそこで安定します。ある意味、固定されることで揺れが最小限に抑えられるのです。犬にとってクレートは安心で安全な個室のようなものですので、車酔いをしやすい性質の場合には大いに利用してください。
車に酔ってしまう前に!犬用の車酔い予防・対策をご紹介
いろいろと策を講じても改善されないのが犬の車酔いです。そこで車酔い予防や対策を専門的な知識として得ておくことで、少しずつ慣れてくれるものです。
予防策
人間でも同じように車に乗る前に満腹状態になってしまうと、酔いやすくなります。車に乗って移動をすることが事前にわかっている場合には、食事の時間には余裕をもってあげましょう。そして走行距離にもよりますが、移動時間には大幅な余裕をもって、こまめに休憩時間を挟んで気分転換を行うことも、車酔いの予防策です。心理的に効果的なのは、車に乗ると良いことが起きるという「プラスの経験」を積ませることです。ドッグランやお買い物、散歩、リゾート地など、犬にとって、楽しいと思える場所に何度も連れていくことで、車酔いを予防できることもあります。
市販の薬ってあるの?
市販されている酔い止めのようなものは、アロマ系の商品が多くなります。アロマの力で車酔いを軽減させようというものです。市販のもので「酔い止めシロップ」もありますが、やはり口から投与するものは、個々の体質を一番よく理解している獣医師に相談をしたうえで、適切な薬を処方してもらうことがベストです。動物病院では精神安定剤や鎮静剤が処方されます。嘔吐の症状が強い場合には、そこをピンポイントに改善できるという嘔吐予防薬を処方してもらえると犬は一番楽に車に同乗できるようになります。
愛犬が車酔いしてしまった!治すためには?
できる限り素早く車を安全な場所に停車させて、犬を車から降ろして外の空気を吸わせてみてください。そして落ち着いたら水分を少しずつ与えてみるというのが応急処置です。生まれつき三半神経が敏感すぎる犬の場合には、スピードの加速だけで体への負担を感じるのです。何よりも車酔いの症状が強く出ているときには、それ以上の走行は中断して休ませてあげるほかありません。
まとめ
犬によって、車酔いをする要因はそれぞれです。動物病院で痛い思いをしたという嫌な経験が尾を引いて車酔いするタイプや、単に車の揺れに敏感に反応してしまう場合など、犬の個体差はとても大きいものです。いずれにしても平穏な時間から急激な環境変化になってしまうのが、車に乗ることなのです。ここを飼い主が深く理解をして、事前に酔い止めを処方してもらう、体を固定するなど、対策を練っておくことが必要になるのです。
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