飼い主様が愛犬を抱っこしている最中に、何らかの原因で愛犬を落としてしまった。そんな時、飼い主様は焦らず愛犬の状況に合わせて対処する必要があります。
実際に愛犬を落下させてしまった飼い主様とっては「そう言われても!」と非常に焦ってしまう状況かと思いますが、一旦、愛犬の状況を把握するために落ち着くことが大切です。
ここでは、愛犬を抱っこの最中に落としてしまった時の確認するべき点や怪我の症状など1つずつご紹介していきますので、ぜひご参考にしてくださいね。
抱っこの中に犬を落としてしまうのは危険です!
抱っこの最中に落としてしまうと言うのは、愛犬にとってどういうことなのかを知っておく必要があります。
まずは抱っこの最中に犬を落としてしまう危険性についてご紹介致します。
人間でいうと7階から8階の建物から落ちる高さに相当
愛犬を抱っこの最中で誤って落としてしまった時の衝撃は、人間でいうと7〜8階の建物から落下する事に相当すると言えます。
猫は運動神経と三半規管が優れているため、落ちている最中に体勢を立て直して着地できるので、大怪我をしてしまうことは稀でしょう。
しかし、犬は空中で自力では体勢を立て直すことはできませんので、例えば真っ逆さまに落ちてしまうとそのまま頭を強打してしまうことになります。
小型犬や老犬、子犬と言った場合は打ちどころが悪くて、内臓の損傷や頭の強打、足の骨折など大怪我に繋がったり、最悪の場合だと死に至るケースもあります。
基本的には飼い主様が抱っこの最中は愛犬の動きに注意して、絶対に落とすことの無いように気を付けなければいけません。
落としてしまった際に確認すべき点
もし愛犬を落としてしまった時、飼い主様は落としてしまった状況と愛犬の状態を冷静に確認する必要があります。
怪我の具合や愛犬の状態によっては、すぐに動物病院で受診して適切な治療を受けなければなりません。
ただし、飼い主様が慌ててしまっては、正しい愛犬の状態が分かりません。
愛犬を落としてしまった時こそ、飼い主様は出来る限り冷静に愛犬の状態を見てあげてくださいね。
ここでは、愛犬を落としてしまった時を想定して、飼い主様が確認するべき点をご紹介します。
足を引きずるなどの違和感はないか
愛犬を普通に抱っこしていて落としてしまった場合、一番負担がかかりやすい部位は足の骨や関節です。
足を捻挫していたり骨折している場合、明らかに異常な反応をすることが多いので注意して様子をみましょう。
犬種の特性やその子の性格によって反応が変わりますが、以下のような様子が見られる場合が多いようです。
- 落ちた瞬間に「キャン!」と鳴いて、その後じっと動かなくなる
- 落下してから「キャンキャンキャン!」「クゥ〜〜〜ン」など、ずっと鳴き続ける
- 落ちた後しばらくするとケロッとしているが、いつもの歩き方とは異なる
骨折や打撲の場合は折れた患部が紫色になり、少しあとに患部が腫れ上がってきますが、脱臼の場合は歩き方でしか異常を判断できないこともありますので、日頃から愛犬の歩き方や様子を見ておくようにしましょう。
足を引きずるなど足に違和感がある場合は、すぐに動物病院まで連れていきましょう。
痙攣や嘔吐はしていないか
愛犬が暴れて落下してしまった場合、体勢が崩れて頭や胴から強く地面に叩きつけられることになります。
脳や内臓を強打していると嘔吐や痙攣を起こすことがあり、最悪の場合だと命に関わりますので細心の注意が必要です。
また、首の骨や神経を痛めていると半身不随などの障害が残ってしまう場合がありますので、どこかを痛がっているような様子が見られるのであれば、なるべく愛犬を揺らさないように頭と体を固定して急いで動物病院に連れて行きましょう。
とくに変わった様子はなくても…
痛がったり鳴いたする様子も見られず、とくに外傷がなくて平気そうな場合でも、数日後におしっこに血が混ざる、元気がなくなるなどの異常が起きることがありますが、その場合は内臓を損傷している可能性が高いです。
犬は痛みを我慢する子や、そもそも自分の痛みに鈍感な子もいますが、実は危険な状態に陥っている可能性もありますので、必ずかかりつけの動物病院で診てもらうようにしましょう。
もしも脳震盪を起こしてしまったら
愛犬も人間と同じように頭を打った衝撃により激しく脳が揺さぶられてしまうと脳震盪(のうしんとう)という脳障害を引き起こします。
この脳震盪とは軽いものであれば自然に治癒する場合が多いとされていますが、中には後遺症が残ってしまうような危険な場合もあるので注意が必要です。
それでは、脳震盪の症状と注意点や後遺症について見ていきましょう。
脳震盪はどのような症状がでるの?
脳震盪は頭を打ってしまった直後に、足元がふらつく、目の焦点が合わないなどの症状が現れます。
こちらは軽い脳震盪の症状なので、そのあと徐々に普通の状態に回復していくことが多いようです。
また、頭を強打した時の危険な脳震盪の症状は痙攣、嘔吐、よだれが出るといった症状を見せます。
この場合は対応が遅れることで後遺症が残ることや命に関わるケースもありますので、迅速な対応が必要です。
脳の異常について素人で判断するのは難しいため、愛犬を落として脳震盪の症状が見られた場合、症状の度合いに関わらず動物病院で異常がないか調べてもらいましょう。
ただしCTやMRIは大きな動物病院にしかありませんので、かかりつけの動物病院で正しく判断してもらえなかった場合、ほかの病院を紹介されるケースもありますのでご注意ください。
脳震盪はしばらくたって症状が出る場合も
軽い脳震盪の場合、徐々に普通の状態に回復していくことが多いですが、回復したと思われた後に容体が急変して、痙攣や嘔吐などの症状が現れる場合があります。
飼い主様は愛犬が普通に戻ったと安心していたら危険ですので、愛犬の状態がいつ急変しても対応できるような状態にしておきましょう。
数日後に容態が悪化することもありますので、3〜4日間は愛犬の様子に注意が必要です。
後遺症の可能性について
重い症状が現れた脳震盪には、愛犬の後脚麻痺や視力を失うなどの後遺症が残ってしまう場合があります。これは脳への衝撃によって脳内出血や脳の壊死などが起きることで、愛犬に後遺症が残りやすくなるということです。
特にチワワは頭蓋骨が十分に形成されていない子がショップで販売されていることも多く、脳震盪を起こした場合は後遺症が残ることや死亡する可能性が高くなります。
愛犬の命を守るためにも、抱っこの最中は絶対に落とすことがないように最大限に気を配ってあげてください。
愛犬を落とすことがないよう気を付けること
飼い主さんは抱っこをしながら他の事をしない
テレビを見ながら、掃除をしながら、スマホを弄りながらなど、所謂「ながら行動」というのは意識が片方に偏ってしまいがちです。
愛犬を抱っこしながら別の行動を同時に行おうとすると、ふとした瞬間に愛犬を抱っこしていた手が緩んでしまったり、しっかり抱っこしていたとしても急に暴れた際に対処できなくなるかもしれません。
ながら行動は危険な行為ですので、基本的に愛犬を抱っこするのは愛犬に集中できる状況の時だけにしましょう。
もし愛犬を野放しにできない状況なのであれば、室内でもリードに繋いでおいたり、いつも使っているケージに入っていてもらうなど、愛犬がより安全な状態でいられるような対処法を選択してください。
愛犬が抱っこの最中に暴れない様にトレーニングする
人懐こいイメージがある犬ですが、中には抱っこされるのが苦手という子がいます。抱っこを嫌がる犬は落としてしまう確率も上がってしまいますし、動物病院で適切な処置を受けるためには抱っこしなければならないという状況もあります。
愛犬の健康を守るためにも、普段から抱っこに慣れさせるようトレーニングしておきましょう。
まずは全身を触られることに慣れさせる、しゃがんだ状態で膝の上に乗せられるようになるなど、簡単なことから徐々に慣れさせていきましょう。
どうしても嫌がるようであればあまり無理に拘束することは避け、ご褒美をうまく使いながら抱っこを楽しんでもらえるように、ストレスフリーで抱っこトレーニングを続けていくことが大切です。
抱っこ中に愛犬を落としたら冷静に対処しよう
愛犬を抱っこの最中に誤って落としてしまった時こそ、飼い主様は冷静に愛犬の状態を確認することが大切です。
ここで、もう一度、抱っこで落としてしまった際に確認するべき3つのポイントをまとめます。
- 愛犬が足を引きずるなどの違和感があるようなら、骨折や脱臼の可能性あり
- 愛犬が痙攣や嘔吐をしているなら、脳や内臓を損傷している可能性あり
- その場ではとくに変わった様子はなくても、数日後に異常が現れる可能性あり
以上の3つを確認して、愛犬の状態に異常を感じたら動物病院で愛犬を見てもらって正しい治療を受けてください。
また愛犬が頭を打ってしまった場合は、できるだけ体を動かさないまま動物病院で診察してもらいましょう。
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