愛犬の口が臭うと感じたことはありますか?犬の口のにおいは健康のバロメーターです。いつもと違うにおいを感じたら、まず口の中をチェックしてみましょう。
しかし、犬の口臭の原因は必ずしも口の中だけにあるとは限らないため、正確に口臭の原因を知ることはとても重要です。また、犬の口臭は日頃からのデンタルケアで減らすことも可能です。愛犬のお口の健康を保つために今回は犬の口のにおいについて考えていきます。
うちの犬の口が臭い!原因はどこにあるの?
犬の口臭を感じたとき、その原因が口の中にあるか、内臓や病気からきているものなのかによって対処の方法が異なります。
例えば腎臓や泌尿器系、肝臓に関わる疾患でも口が臭いことがあるので、単なる犬の口臭だと飼い主さんが勝手に判断しないことが大切です。獣医師さんに相談するときは、臭いと感じたとき、どんなにおいがしたのかを伝えましょう。アンモニアのような刺激臭、生臭いにおい、甘いにおいなど、原因が早期にわかるポイントとなります。
他にもいつからなのか、どんなときににおうかを伝えるだけでも原因を探る手がかりとなります。
口の中が清潔でないことが原因
あなた様は毎日愛犬の歯磨きをしていますか?できるのであれば、軽く行うだけでもよいので、毎日の習慣にして歯磨きを行うことをおすすめします。日常的に歯ブラシを行っている犬は歯石が溜まりにくいですが、歯ブラシに限らずデンタルケアを行っていない場合は、人間同様歯垢が溜まることで歯石がつきやすくなります。
歯石がついてひどくなると、歯周病や歯槽膿漏になってしまい、口や呼気がにおうことがあります。歯周病は他の疾患の原因にもなる可能性があるので、歯肉からの出血や、歯茎が腐っている、グラグラしている場合は獣医師さんに相談しましょう。日常的にデンタルケアを行って、愛犬の口の中を清潔に保つことが重要です。
犬が食べたものが原因
犬の食べたものによっても口が臭くなることがあります。脂質やたんぱく質を多く摂取すると口のにおいがきつくなる場合や、身体の中で悪玉菌が増殖し腸内環境のバランスが崩れることで口臭が発生することもあります。酸化した古いフードや、添加物が多く含まれている質の悪いフードを与えることで、口のにおいが強くなることも考えられます。
少しでもお買い得なドッグフードを選ぶため、いつも大袋を購入しているという方は、少しでも酸化を抑えるために小分けにして真空状態で保存するか、荒技ですが、必要な分だけ密封できる別の容器に移し替えるなどして、開けた大袋をそのまま未使用の布団圧縮袋に入れて真空状態にしてしまうなどの対策を行い、フードが酸化しないようにすることをおすすめします。
胃腸の不調が原因
飼い主さんが愛犬のデンタルケアを日常的に行っていても、犬の口のにおいが改善されない場合は、胃腸や内臓が原因による口臭の可能性があります。この場合は、獣医師さんの指示に従い根本的な治療を行わない限り、いくら歯ブラシや歯石取りを行っても口のにおいが消えることはありません。
自宅でできるケアとしては身体の中から口臭を改善させるために、乳酸菌を含む無糖ヨーグルトやプロバイオティクス(腸内環境を整える有用菌や微生物)、酵素などによって腸内環境を整えることで、口のにおいが軽減することがあります。腸内細菌のバランスが整うと、ウンチの調子も良くなり、口臭も消えて、結果的に犬の身体全体が健康になっていくのです。
もともとお腹が弱いわんちゃんや、病気ではないものの愛犬の胃腸が弱いことに悩んでいる飼い主さんは、腸内環境を整えるサプリメントを少しずつ与えて様子をみてみるのもアイデアの一つです。
犬のうんちが臭い!口臭との関連性はあるの?
今日はいつもより何だか愛犬のうんちが臭い!と感じたことはありませんか?こういった場合は、大半が腸内環境のバランスが乱れていることが多いです。
加工された製品や、油の多い粗悪なドッグフード、添加物などを多く食べると腸内バランスが崩れて悪玉菌が増殖します。その結果、腸内で有害物質が発生し、魚が腐ったような腐敗臭を大量発生させ、これが血液中に吸収されることで口からも排水溝の腐ったにおいや、ドブやヘドロのようなにおいがするようになります。
うんちが出ていれば腸内バランスが崩れている可能性がありますが、シニアで便秘がちの犬、腸捻転(なんらかの理由で腸がねじれをおこしてしまう病気。命に関わる危険な状態です。)を起こしている犬も口臭を発生する場合があります。突然口から悪臭がするようになった場合は、便秘なのか、腸が詰まってしまっていないかなどの確認が必要になります。
愛犬のうんちが異常に臭い場合は胃腸の不調と同様に、プロバイオティクスや、ヨーグルト、酵素などを食事に混ぜてあげると改善する可能性があるので少量ずつ与えてみてください。
犬の口のにおいはどうやったら取ることが出来るの?
気になる犬のお口のにおいは、飼い主様のできる範囲のホームケアで軽減することができます。最近は数多くの犬のデンタルケアグッズが販売されているので、簡単にケアを行うことができるようになりました。
家で歯磨きをしましょう!
犬の歯周病は他の病気を引き起こす原因にもなりますので、積極的に歯磨きをしてデンタルケアを行いましょう。歯ブラシを口の中に入れられることを嫌がる犬が多いです。最初はマズルの上から歯茎をマッサージするように、口周りをくるくると触るだけでも構いません。慌てず時間をかけて、最終的に歯磨きができるように徐々に練習していきましょう。
歯ブラシを噛んでしまう、嫌がってシャカシャカと磨けない場合は、指サックタイプの歯ブラシやガーゼを指につけて歯に軽く当てながら擦るのも嫌がらずに歯を磨ける方法の一つです。
動物病院へ行き、歯石を除去してもらう
スケーラーで歯石を落とすことのできるおとなしい子は、お家でのデンタルケアができます。しかし、すでにびっしりと奥歯から前歯まで歯石がついている状態の場合は、歯周病や歯槽膿漏が進行している可能性があります。
暴れて歯茎を傷つける可能性のある犬や、飼い主様が歯石を取れないほどひどい状態の場合は、他の病気を招く前に動物病院で歯石除去をしてもらいましょう。ただし、歯周ポケットまでついた歯石をしっかり取り除く歯石除去は、全身麻酔下での作業になります。麻酔は犬に負担がかかるため、歯石の付き方がひどくなる前にデンタルケアをしっかり行うことをおすすめします。
犬の口のにおいを防ぐためにできることは?
犬のお口のにおいは、歯磨きケア、デンタルおもちゃ、サプリメント、デンタルスプレーなどの対策を行うことで、においとともに歯石を軽減することができます。デンタルケアを積極的に行って愛犬の歯に歯石がつかないようにホームケアを心がけましょう。
歯磨きシートを活用!
柄の部分がプラスチックの硬い歯ブラシを嫌がる犬は多いですが、歯磨きシートは飼い主様の指に巻きつけて行うため、比較的嫌がらずにデンタルケアができるアイテムです。さらに飼い主様の指先の感触で奥歯の歯石や歯垢を擦ることもできるので、歯垢を落としやすのが特徴です。
しかし、無理に擦って1回で落とそうとすると、犬も嫌がりますし、歯茎も傷つけてしまうので、少しずつ慣らしながら歯垢を落としていくつもりで作業を行ってください。また、歯磨きシートやガーゼを指に巻いて、嫌がる犬に無理に歯磨きを行うと奥歯で指を噛まれる可能性があるので気をつけて慎重に作業をすることが必要です。
歯磨きシートには香料がついているものや歯石を落とす薬品がついている商品もあります。においに敏感な犬で、歯磨きシートを使った後にくしゃみをする犬には、無香料のシートかガーゼを使用することをおすすめします。
歯磨き効果のあるおもちゃで楽ちん予防!
犬がおもちゃをガジガジとかじることで、歯磨きの効果が期待できる商品もあります。しかし、デンタルケアとして販売されている硬い骨のような形の頑丈なおもちゃは、犬が夢中で噛むと歯が割れる可能性があるので、飼い主様が常に観察できる状態で遊ばせてください。
歯が割れて歯髄が出ると、痛がって歯ブラシもできなくなり、結果的に歯の割れた部分や、欠けた部分に歯石がびっしりとついてしまいます。
ロープタイプのおもちゃも歯垢を落とし、デンタルケアができるアイテムです。ただしロープタイプは見ていないと犬が紐をちぎって食べてしまう可能性もあります。遊びながら、ストレスを発散しながらデンタルケアができるおもちゃは便利なアイテムですが、注意して使用するようにしましょう。上手に使えば歯磨きの効果があり、遊んでいるうちに歯石がつくことを予防できます。
口臭対策用のスプレーでも予防しよう!
最近では全身麻酔下での歯石除去でなくても、歯石除去スプレーを使用することで、徐々に歯石を落とすことができる製品が販売されています。成分もアルコールフリーで、犬に有害な薬品は使用せず、天然成分を使用している口臭対策スプレーも多いです。
口臭対策用のスプレー、歯石を落とすためのスプレーは、2週間から、ひどい場合は数ヶ月に渡って継続して行うことで効果が期待できます。このタイプの製品は、スプレーを行い犬の口内環境を整えることで歯と歯茎の健康を保ち、歯に固くついてしまった歯石を柔らかくしながら徐々に歯石を落とすものが多いです。
歯石を取るためにリスクのある麻酔を使わなくても、飼い主様がビクビクしながらスケーラーを使わなくても、日常の生活の中でシュッと口の中にスプレーをかけるだけで効果が出てくるため、使い方も簡単で、便利なデンタルケアグッズです。
まとめ
犬の口のにおいが気になったらまずはデンタルケアを始めてみてください。成犬のうち8割の犬には歯石がついているといわれています。被毛のブラッシング時や食後にルーティーンを決めて、日常的に飼い主さんが愛犬のデンタルケアを行うことで口のにおいが軽減していきます。
毎日できない方は、口周りを軽くマッサージするだけでも唾液が分泌されて多少の効果があります。歯石や歯周病からくる嫌なにおいなのか、病気からくるにおいなのかの判断ができない場合は、一度動物病院に相談してみてください。病気の早期発見に繋がるかもしれません。
最近ではデンタルケアの講習会を行う動物病院もあります。それだけデンタルケアが愛犬の健康にとって重要であるということです。愛犬のお口のにおいが気になったら、まずは歯磨きができるようになることを目標に、デンタルケアを頑張ってみてください。
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