家族の一員である愛犬に、おいしいごはんを食べさせてあげたいと思うのは飼い主共通の願いではないでしょうか。しかし、犬に与える食材にはちょっとした注意が必要です。与えるものに注意しないといけない、だけど美味くて健康にいいものを食べさせてあげたい。そんな願いをかなえてくれるのがささみという食材なのです。今回はささみを犬に与えるメリットと、とっておきのささみレシピをご紹介いたします。
犬にささみがおすすめな理由
ささみの栄養素
たんぱく質
人間にとっても、ささみはメリットの多い食材です。代表的なメリットとしては、低脂肪高たんぱく食品であることが挙げられるでしょう。高たんぱく食品は体から余分な肉を落として必要な筋肉をつけてくれます。ささみを摂取することで、丈夫な体が作られていくのです。これは基本的に犬にとっても同じことです。犬は食事のちょっとした変化や、高カロリーなおやつの摂取で、すぐに体重が増加してしまいます。犬がかわいくお座りをしておやつをねだると、ついつい与えてしまいますよね。犬の肥満は、人間の肥満よりもリスクが高いです。犬は、日頃からの運動量が多い為、体重が増えることで膝に影響が出てしまうことも少なくありません。特に、小型犬の場合は脚も作りが小さいので、肥満だとちょっとフローリングで足を滑らせただけでも大きな怪我につながりかねません。フレンチブルドッグやパグといった鼻ぺちゃな犬の場合は呼吸器に影響が出て、突然死してしまうこともあります。
しかし、いざダイエットをしようと思っても、ダイエット用に少なくした餌を見ると「これはいくら何でもかわいそう」と感じてしまいますよね。そこで、おすすめなのがささみなのです。ささみは低脂肪高たんぱくな食品であるため、食べても太りにくいという特徴があります。それどころか、沢山運動すれば筋肉を作るのに役立ってくれます。鶏肉なので食べ応えも抜群で、食いつきも非常に良いです。
ビタミンB2
ささみにはビタミンB2が多く含まれています。ビタミンB2には、過酸化脂質という物質を分解する効果があるので、摂取することによって犬の健康に寄与することができます。
過酸化脂質とは、「体のサビ」とも言われている物質で、老化や動脈硬化の原因になる物質です。これが溜まることにより、犬も動脈硬化を引き起こし、血管が破裂してしまうリスクが増えてしまうのです。
ささみにはビタミンB2が豊富に含まれていますので、定期的に摂取することにより「体のサビ」から守り、動脈硬化の防止に役立ちます。
ささみには抗酸化作用があるといいますが、それにはこのビタミンB2が一役買っています。
ナイアシン
ささみの中には「ナイアシン」という物質が豊富に含まれています。脂質やたんぱく質、炭水化物などをエネルギーに変える際に必要になる物質です。犬はある程度の量を自分の体の中で合成することができますが、それだけでは一日の必要量には足りません。
ナイアシンは他の物質と影響しあってセラミドの合成を促進して、皮膚を乾燥から守る作用があります。アトピーや膿皮症にかかりやすい犬の場合、皮膚のバリア機能を強化する必要があります。特に、乾燥は皮膚疾患において大敵なので、ナイアシンを補って皮膚を乾燥から守り、バリア機能を強化することができるのです。
このように、たくさんメリットのあるささみですが、何事もやりすぎは厳禁です。あげすぎると当然デメリットもありますし、逆に肥満を招いてしまうこともあります。
犬にささみを与える際は、下記にご紹介するいくつかの点に注意しましょう。
ささみをあげるときのポイント
一日にどのくらいの量ならいいの?
ドッグフードの中には鶏肉から作られているものも多くあります。その事実からもわかる通りささみは犬が食べても安全な食材です。
ただし、何事もやりすぎは禁物です。良質なたんぱく質が豊富に含まれているからといって、トッピングしすぎたりしてはかえって一食のカロリーが多くなってしまい、肥満を促進してしまいます。
トッピングなどで与える際は、フードの量を少し減らして一食のカロリーが高くなりすぎないようにしましょう。
それでは、具体的にどのくらいの量までなら良いのでしょうか。
ささみ一本は50gから60gと言われています。100g以内に抑えるのが良いとされていますので、一日に1本半から2本までは与えられる計算になります。しかし、デメリットのことを考えるならば一日一本に抑えておくのが良いでしょう。
あげすぎるとどうなるの?
低脂肪高たんぱく食品といえども、ささみ自体に全くカロリーがないというわけではありません。普段のご飯を減らさずにささみをトッピングしすぎれば当然のことながら肥満の原因になります。適切に与えれば、肥満を解消できる食品ですがあげすぎることによって肥満になってしまっては本末転倒といえます。
また、ささみには身体によい栄養素が豊富に含まれていますが、取りすぎると良くない栄養素も含まれています。その代表格が、リンです。リンは適量ならば身体を作るのに必要な栄養素ですが、過剰摂取するとカルシウム不足に陥ったり、慢性の腎疾患にかかってしまったりします。カルシウム不足に陥ると、骨がもろくなってしまいちょっとしたことで骨折するようになってしまいます。ひどくなるとくしゃみをするだけで骨が折れてしまうこともあります。
リンの過剰摂取により腎不全になってしまうと、嘔吐や下痢、貧血などで徐々に元気を失っていきます。適切に与えれば健康にとっても良い食品ですが、与えすぎには要注意です。
ささみをつかった手作りフード、おやつ
わんちゃん大好きささみジャーキー
「犬といえばジャーキー」と言っても過言ではないくらい、ジャーキーが好きな犬は多いですよね。ただ、市販のものは保存料や添加物が入っており不安を感じる機会も多いですよね。今回は、本記事で紹介した犬の体にとっても良い効果のある「ささみ」を使ったジャーキーを紹介します。お散歩やしつけの際にポケットに忍ばせておくと良いですよ。
材料
ささみ 3本
リンゴ酢 少々
作り方①
夏場の場合に天日で干す方法です。
1、ささみの筋を取り除きます。
2、ささみを開き、ボウルに入れリンゴ酢を少量入れてよく揉みます
3、キッチンペーパーの上に置き、ラップをかけ肉たたきや包丁の背でたたきます
4、キッチンペーパーでよく水気をきり、干し網に入れて天日で干します。夕方くらいになったら冷蔵庫で保存し、翌日再び天日に当てます(干し網がない時は竹ざるの上にのせて天日干しでもOKです)
5、十分に水分が飛んで固くなったら、はさみなどでちょうどいい大きさにカットして出来上がりです
干す際の注意点
気温が25度以上あれば天日で殺菌されるので菌が繁殖することはありません。しかし20度以下の場合は菌が繁殖して腐ってしまうことがありますので、これから紹介する作り方②で作成する方がベターです。
作り方②
3までの手順は作り方①と同様です。
4、お皿に乗せて500Wの電子レンジで4分間加熱します。その後裏返してもう4分間加熱します。
5、オーブンで軽く焦げ目がつくくらいまで加熱します。
6、水分が飛んで固くなったジャーキーを一口サイズにカットして出来上がりです。
ささみとキャベツをつかった手作りごはん
材料
ささみ 1本
人参 4分の1本
キャベツ 1枚
ご飯 適量
作り方
1、ささみは筋をとって一口サイズに切ります。人参とキャベツも適当な大きさにカットしておきます。
2、沸騰したお湯にささみを入れて2分から2分半ほど茹でます。一緒に人参とキャベツもお湯の中にいれささみと一緒に取り出します。
3、ささみは手でほぐして、人参とキャベツはさらに細かくきざみます。
4、お皿の上にご飯適量を入れて、ほぐしたささみと細かくきざんだ人参キャベツを入れてよく混ぜたら出来上がります。
ささみのスープ
材料
ささみ 1本
キャベツ 1枚
無調整豆乳 150㏄
作り方
1、ささみはラップをして500Wのレンジで2分半ほど加熱して、裂いておきます。キャベツは小さめにカットしておきます。
2、無調整豆乳を入れて火にかけます。ふつふつと小さな泡が出てきたらささみとキャベツを入れて弱火で2分ほど煮込みます。
3、完成してすぐ与えると熱いので、少し冷ました後に与えます。
まとめ
ささみはその味の良さだけでなく、犬の健康にも良い食材です。
低脂肪高たんぱくで肥満気味な犬も、しっかりとした体型にすることができます。ビタミンB2の効果で動脈硬化を防ぎ、ナイアシンにより皮膚の機能が高まります。
ただ、何事もやりすぎは注意。与えすぎることによって逆に肥満を助長したり、リンの取りすぎにより骨がもろくなったりすることがあるので、数日おきのローテーションにするなど与え方を工夫しましょう。
栄養満点のささみジャーキーをポケットに忍ばせて、散歩に出かけるとお散歩がいつもより少しだけ楽しくなりますよ。
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