犬に市販の野菜ジュースをあげても大丈夫?与えてはいけない理由から野菜のメリット・デメリットまで 犬に市販の野菜ジュースをあげても大丈夫?与えてはいけない理由から野菜のメリット・デメリットまで

犬の食事・ドッグフード

犬に市販の野菜ジュースをあげても大丈夫?与えてはいけない理由から野菜のメリット・デメリットまで

一緒に暮らす愛犬には健康でいてほしいものです。今回は、お店で販売されている人間用の野菜ジュースについて犬に与えても大丈夫なのか、そして与えた場合、身体に害はないのか気になる情報をご紹介いたします。

愛犬に人間用の野菜ジュースを与えても大丈夫?

野菜ジュース

一緒に暮らしている愛犬にはいつまでも健康でいてほしいですよね。そこで良いと思われがちなのが野菜ジュースや果汁ジュース。今回は市販の人間用果汁ジュースを犬に与えても大丈夫なのかをご説明いたします。

市販の果汁ジュースを犬に与えるのはダメ?

市販の果汁ジュースは糖分が高いものもあり、犬にとっては糖分の過剰摂取につながってしまいます。

また、犬にとって有害なフルーツが含まれている場合もあるため与えるのは避けましょう。

市販の人間用野菜ジュースを犬に与えてはいけない理由

人間にとって身体にいい野菜ジュース。だからといって犬の身体にもいいとは限りません。塩分が多く含まれていることや犬が病気になってしまう原因となる成分が含まれていることもあります。

市販の野菜ジュースは塩分の過剰摂取につながる

市販の野菜ジュースは人間用に作られているため、多くの塩分が含まれています。また、最近販売されている塩分無添加の野菜ジュースも同様です。
塩の主成分はナトリウム。ひとつの野菜ジュースにどのくらい塩がはいっているのかは成分表示のナトリウム(Na)をチェックすると確認することができます。

犬が健康な身体を維持するために必要な1日のナトリウム(塩分)は、体重1kgに対して50mgです。
ここで、注意して頂きたいのがナトリウム50mg=塩50mgではありません。

「塩分(g)=ナトリウム(mg)×2.54÷1000」で計算する必要があります。

たとえば、体重5kgの犬なら1日に必要なナトリウムは250mgで塩分0.635g相当になり、これは塩ひとつまみが約0.3として2つまみ程度になります。そして、ドックフードには十分なナトリウムがすでに含まれているため、そこに野菜ジュースを取ってしまうと塩分の過剰摂取になってしまうのです。

野菜ジュースには砂糖が大量に含まれていることがあるので太る恐れがある

市販の野菜ジュースには砂糖が多く使用されています。
また、パッケージ表示に砂糖不使用と書いてあっても成分表示に「ショ糖」と表記されていることがあります。

これは野菜そのものの糖類や飲みやすくするために加えている果物の糖分のことを示しているため、確認する必要があります。

野菜ジュースの中に犬がダメな野菜の成分が入っている場合がある

野菜の中には犬の身体に良くないものもあります。
たとえば犬にとって有害な玉ねぎなど確認しないで与えてしまうと犬の体に影響を及ぼす恐れがあります。

「濃縮還元」の中には農薬が使われている野菜ジュースもある

海外で生産されている野菜や果物は、加熱して水分を飛ばしてから日本に輸入しています。そうすることで輸送費が安くコストを抑えられ、安い値段で野菜を入手することができます。
そして、そのペースト状になった野菜に水を加えてもとの濃度に戻したものが濃縮還元ジュースです。

ここで注意していただきたいのが、加熱される際に失われる栄養素はあっても農薬は残ったままということです。安さを求めて世界から集められた野菜はどこで栽培されたかわからないものもあり、大量の農薬が使用されている恐れもあるのです。

そもそも犬に野菜は必要?栄養は?

そもそも犬に野菜は必要なのか、そしてたくさん種類があるなかで犬が食べても大丈夫な野菜と食べてはいけない野菜をご紹介いたします。

犬に野菜は必要?

野菜は犬に必ず必要ということはありません。
しかし、与えてはいけないわけでもないため、栄養バランスの整っているドッグフードが食べられない体調不良のときや病み上がり、ダイエットや個別の病気など特定の栄養素を与えたい、カロリーを抑えたいときの解決方法として野菜を与えることはおすすめします。

また、与え方や与える量によって愛犬がドッグフードを飽きないように工夫することができます。しかし、犬にとってアレルギー症状や病気の原因になってしまう野菜もあるため、与えても大丈夫な野菜とダメな野菜、摂取量の把握はとても大切になります。

犬が食べても大丈夫な野菜と果物

  • さつまいも
  • 甘くて美味しいさつまいもは犬のおやつとして人気の食材です。そのさつまいもには白米の約10倍もの食物繊維が含まれているので、便秘気味の犬にはおすすめの野菜です。
    しかし、食物繊維は適量であれば便秘解消に役立ちますが、過度に摂りすぎると下痢になってしまう恐れがあるので注意が必要です。

    また、さつまいもは100g当たり130kcal前後とカロリーが高い上に、糖質も多く含まれているので、与え過ぎは良くありません。そして、消化をよくするためにも加熱して細かく刻んでから与えてくださいね。

  • キャベツ
  • キャベツにはビタミンやミネラルのほか、食物繊維が豊富に含まれているため犬の健康維持や便秘予防に役立つ野菜です。

    キャベツを生のまま食べるのが好きな子もいますが、生のまま与えるときは細かく刻んであげないと消化不良を起こしてしまうので注意しましょう。加熱したキャベツの場合はかさが減って食べやすくなり、その分多い量を与えてしまいがちです。しかし、食物繊維は加熱しても減ることはないので、与えすぎることで便秘になりやすくなるので気をつけましょう。

    そして、キャベツはアブラナ科の野菜なので甲状腺に悪影響を与える成分が含まれています。そのため、甲状腺にトラブルを抱えている犬には与えないようにしましょう。

  • 白菜
  • 水分が非常に多く含まれている白菜は水分補給に役立つ野菜です。風邪予防や免疫力アップ、皮膚の健康維持に働くビタミンCも含まれているほか、胃腸に優しいので身体が弱っているときなどは特に効果が期待できます。

    しかし、気を付けなければならないのは白菜には甲状腺ホルモンに影響を与える成分が含まれていることです。そのため、甲状腺の病気がある犬には与えないほうがいいでしょう。

  • レタス
  • レタスには水分が豊富に含まれているので、あまり水を飲まない子の水分補給としても役立つ野菜です。レタスに含まれているカリウムはむくみ改善効果、ビタミンCには皮膚の健康維持、ビタミンEには強い抗酸化作用があるので風邪や老化予防の効果が期待できます。

    ただ、上述したカリウムは腎臓の機能が低下している犬にとって高カリウム血症のリスクとなる栄養素でもあるので、病気の子には与えないでください。

  • ブロッコリー
  • ブロッコリーは白菜やレタスと同じように水分が豊富な野菜です。また食物繊維も豊富なので便秘改善が期待できます。ブロッコリーに含まれるスルフォラファンという成分は犬の身体に良い抗酸化作用と解毒作用があります。

    疲労回復やガンや老化の予防に役立つブロッコリーですが、甲状腺の機能を低下させる恐れがあるので与え過ぎないように気をつける必要があります。

  • にんじん
  • にんじんにはβカロテンが豊富に含まれていますが、このβカロテンは体内に入るとビタミンAに変換されて皮膚や粘膜の健康維持に役立つ働きをします。粘膜が健康であれば、ウイルスや細菌から身体を守ることができるのできます。

  • かぼちゃ
  • かぼちゃには体内に入るとビタミンAに変化するβ-カロテンが豊富に含まれています。ビタミンAには皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあるので、風邪予防や老化予防に役立ちます。
    ただし、食べ過ぎると太りやすいため与えすぎに注意が必要です。

  • りんご
  • 甘くて美味しいりんごはポリフェノールが豊富で、このポリフェノールには強い抗酸化作用があります。老化予防に役立つだけでなく、筋肉を強くするはたらきもあるので犬の身体を健康に保つために適しています。また、りんごの酸味はリンゴ酸とクエン酸によるもので、これは疲労回復に役立つ成分です。
    りんごをあげるときは、消化をよくするために細かく刻んだり、すりおろして与えるようにしましょう。

犬が食べてはいけない野菜と果物

  • トマト
  • トマトは水分が豊富な野菜なので、犬の水分補給に役立ちます。夏場などは熱中症予防になるとともに、トマトに含まれているビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、カリウムや銅、モリブデンなどのミネラルも犬の健康維持に良い影響を与える栄養素です。

    このように身体に良い栄養素を豊富に含んでいるトマトですが、気をつけなければいけないのは青いトマトです。熟していないトマトにはトマチンという有毒な成分が含まれていて、この成分を犬が口にすると中毒症状を引き起こすことがあるので絶対に与えないでください。

  • アボカド
  • アボカドは犬が中毒症状を引き起こす原因である「ペルシン」を含んでいます。この成分を犬が口にすると下痢や嘔吐、過呼吸などを引き起こすことがあります。どのくらいの量を食べたら中毒症状が出るかは個体差があるので、ほんの少し口にしただけでも最悪の場合は死に至る恐れがあるのでアボカドは犬に食べさせないようにしましょう。

  • ぶどう
  • ぶどうも犬に与えてはいけない果物です。犬がぶどうを食べると下痢や嘔吐を引き起こし、ひどい場合は急性腎不全になってしまうこともあります。人間にとってぶどうはポリフェノールが持つ強い抗酸化作用によって老化予防やガンの予防に役立つのですが、犬には命に関わる果物なので与えないようにしましょう。

犬に野菜をあげるメリットと注意点

便秘解消効果

食物繊維は腸の動きを活発にしてくれるため、便秘がちの犬には便秘解消効果が期待できます。また、水をあまり飲まない犬は便秘になりやすいため、水分をしっかり補給することが大切です。野菜の中には水分が多く含まれているものも多く、その水分が便秘解消に働くのです。

しかし、かぼちゃやトウモロコシなどに含まれる不溶性食物繊維は水分を吸収する性質があります。この水溶性食物繊維は摂りすぎると便の水分を奪って便を硬くし、返って便秘を引き起こす原因になるので注意が必要です。

ダイエット効果

ビタミンやミネラルが豊富に含まれている野菜はダイエットに適しています。食物繊維が便秘解消に役立つこともダイエットに繋がります。
しかし、野菜に含まれている食物繊維は摂りすぎると消化不良を引き起こし、野菜の水分が腸まで届いてしまうため下痢を引き起こす原因になってしまいます。

栄養素を吸収しやすくする

犬の栄養は総合栄養食のドッグフードで充分摂取できるのですが、ある特定の栄養素を多めに摂取させたほうがいいときに野菜でその栄養素を補うことができます。

病み上がりの栄養補給に役立つ
病気をしたときなど、症状によっては犬に絶食させることがあり、絶食を解くときに急に固形のものを与えると胃腸に負担をかける恐れがあります。

そんなときに野菜を煮込んでスープを作ってあげると野菜がもつ栄養素も摂取できるのでおすすめです。病み上がりのときには食物繊維が身体に負担をかけるので野菜をそのまま与えず、ガーゼなどに野菜を入れて絞ったものを与えるようにしましょう。

毎日の食事のお供として
犬は基本的に食べるのが大好きなので同じドッグフードを与えていても喜んで食べてくれます。しかし中には同じドッグフードでは飽きて食べなくなる子もいます。そんなとき、普段食べているドッグフードに野菜をトッピングしてあげると野菜の食感や味で食欲が増し、ドッグフードを食べてくれるようになります。

愛犬へは市販の野菜ジュースはNG!代わりに与えても大丈夫な野菜市を知って選択してあげよう!

ここでは犬に市販の野菜ジュースや果汁ジュースを与えることについてご紹介いたしました。
市販されている野菜ジュースや果汁ジュースは人間用に飲みやすく作られているので、愛犬には与えないようにしましょう。

しかし、栄養価が高く犬が食べてもいい野菜もたくさんあるので、きちんと選択し正しい方法で与えてあげてください。また、手作りの野菜ジュースや野菜チップスなどのレシピもあるので、愛犬に作ってあげるのもいいですね。

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