愛犬が急にご飯を食べなくなってしまったら心配ですよね。ご飯は食べないのに、おやつを欲しがっていたら、それは偏食かもしれません。犬はご飯が大好きでよく食べる子が多いのですが、時々偏食になってしまう子もいるようです。今回は犬の偏食について、原因と対策を詳しく解説していきます。
犬がドッグフードを食べない!偏食になる原因7こ
以前おいしいものを食べたのを覚えているから
犬が偏食になる原因はいくつか考えられますが、そのひとつに以前おいしいものを食べたことが挙げられます。今まで食べていたご飯よりもおいしいものがあることを知り、そのおいしいものをくれるまでご飯を食べなくなってしまうのが原因です。
病気が原因で食欲がない
犬のわがままが原因ではなく、病気が原因で食欲が出ない場合もあります。生活のリズムには変わりないのに、食欲が落ちていたら犬の様子を観察しましょう。
- お腹の調子が悪く、下痢や便秘、軟便、血便が出るなどの症状がある
- 便におもちゃなどの異物や寄生虫が混ざっている
- 便の色や臭いが普段と違っている
- 嘔吐が続いてだるそうにしている
- 目やにが多かったり充血している
- 熱が高い
- 急に太った・痩せた
- 元気がなく寝てばかりいる
以上のような症状が出ていたら、病気を疑って早めに獣医師に診察してもらいましょう。病気によっては命に関わるものもあります。特に老犬や子犬の場合は、抵抗力が弱いため脱水になりやすいので注意が必要です。
おやつの与えすぎでドッグフードを食べない
体調は普段と変わらず、散歩へ行きたがるし、遊びも積極的にするのにご飯を食べなかったり残す場合は、おやつのあげすぎかもしれません。
頭が良い犬は、ご飯を残すことで飼い主さんが別のおいしいドッグフードやおやつをくれるのを待つことがあります。飼い主さんの中には、愛犬がご飯を残して食べない時におやつをあげたことがある人もいるのではないでしょうか。また、しつけのときにおやつをたくさんあげている方はいませんか?
そういった経験があると、犬は「ご飯を全部食べなければおいしいおやつがもらえる」「トレーニングのときにおいしいものが食べられる」と学習して、ご飯を食べないことがあります。
犬の栄養は総合栄養食と水だけでも十分摂取できます。おやつはコミュニケーションのひとつとして使うのはいいのですが、普段の食事に影響を与えるようであれば与え方を考えなければなりません。
ドッグフードを頻繁に変えている
一般的にドッグフードは頻繁に変えないほうがいいと言われています。
しかし、愛犬の体調や、より良いフードを食べさせたいというさまざまな理由でご飯を変更するときもあるでしょう。
今まで食べさせていたご飯を急にやめて切り替えてしまうと、下痢など体調を崩してしまうことがあります。最初は新しいご飯を今まで食べていたものに少し混ぜて、徐々に変えていきましょう。少しずつ新しいご飯の割合を増やしていき、徐々に時間をかけて1週間程で切り替えるようにしてください。
ストレスを抱えている
犬はストレスを感じるとご飯を食べなくなってしまうことがあります。特に怖がりな犬は環境の変化など、今までと違ったことがあると、食欲が落ちてしまう場合があるので気をつけましょう。
- 飼い主さんが仕事を始めて留守番する時間が増えた
- 知らない人が家に出入りする
- 新しい犬を迎えたり、飼い主さんに赤ちゃんが生まれた
- 散歩にあまり行けていない
このようなさまざまな理由で、ストレスを抱えてしまうことがあります。普段と変わったことがあるときは、なるべく愛犬がストレスをためないように生活を工夫するなど気を配ってあげましょう。
高齢になったため嗅覚が衰えている
犬は嗅覚が大変優れていて、食事も味わうというよりはニオイで食べていると言われる程です。
目が開いていない子犬の時期は、嗅覚だけで母犬のおっぱいのところまで行って母乳を飲みます。しかし、歳を取ると犬の嗅覚はだんだん衰え、ニオイを感じないので食欲が落ちてしまうのです。
歯や歯茎が痛い
歯や歯茎にトラブルを抱えていると、普段より食欲が落ちて偏食と感じることがあります。特に高齢になってくると、歯が弱ってきて歯周病で歯がグラグラになり、違和感や痛みを感じてご飯を食べなくなる場合があります。
犬は食事をする時にあまり噛まないで丸呑みすることが多いですが、ご飯を口に入れる時に歯にぶつかるのが嫌でご飯を食べなくなってしまいます。様子がおかしいときは、歯の様子を確認してみてください。
犬の偏食の治し方
おやつを減らす
おやつをあげすぎるとお腹がいっぱいになって普段のご飯を食べなくなることがあります。おやつのあげすぎは、犬に必要な栄養が摂取できなくなる原因になるので、おやつを減らすようにしましょう。
ドッグフードを頻繁に変えない
前述しましたが、ドッグフードは頻繁に変えないほうがいいと言われています。
犬は味よりもニオイでご飯を食べています。今までしっかり食べていたご飯を変えてしまうと、犬も戸惑って新しいご飯を食べなくなることがあります。
基本的に犬はご飯が大好きで、全く食べないということはありません。もし最初から口にしなかった場合は、そのご飯の中にアレルギーの原因になるものが含まれているなど、何かしらの理由があるかもしれません。
わがままでドッグフードを食べない場合は食べるまで他のものをあげない
犬がご飯を食べないからと、おやつをあげていては一向に直りません。さらに栄養が摂れずに犬が病気になってしまう恐れもあります。そのため、もし犬がおやつを欲しがっても決して与えないようにしましょう。
ご飯を出しても食べなかった場合、5~10分程したらお皿は下げてしまいます。この時に食べなかったら次のご飯の時間までは何も与えないようにします。こうすることで「ご飯の時間に食べなかったら何ももらえない」ことを犬に分かってもらいます。
この方法を取る場合は、子犬や老犬のような体力がついていない犬には行わないようにしてください。また、病気がある犬もこの方法は厳禁です。常に新鮮な水を用意して犬の偏食が治るようにがんばりましょう。
ドッグフードにトッピングをして食欲をそそる
ご飯を食べるまでは何も与えない、という方法を試しても3日以上何も食べなかった場合はこれ以上続けると犬の健康を害してしまいます。
そのときは別の方法でご飯を食べさせましょう。そのひとつの方法として、普段食べているご飯に犬の栄養となる食材をトッピングする方法があります。
もちろんおやつをトッピングするのはダメです。ウエットフードをほんの少し、鶏肉の茹で汁、犬用のミルクなどをご飯にかけてみると食べることがあります。それを食べたらトッピングの量を少しずつ減らしていって、最終的には普段あげているドライフードだけでも食べられるようにしていきましょう。
歯の治療をする
犬がご飯を食べない理由が歯の痛みの場合、早急に治療してあげましょう。
歯周病で歯がグラグラしている場合は、抜歯になる可能性が高いのですが、犬はご飯をよく噛んで食べる動物ではないので歯がなくてもドライフードを食べるには問題ありません。
歯周病を放置すると、顎の骨が溶けて頬に大きな穴が開いてしまうことがあります。そうならないように、普段から犬の歯磨きを心がけることが大切です。子犬の頃から歯磨きに慣れさせておくことで、嫌がらず歯磨きさせてくれることが多いので、習慣づけましょう。
ドッグフードを見直す
犬はニオイでご飯を食べる動物です。今食べさせているドッグフードの主原料が小麦粉やとうもろこしで、動物性タンパク質がほとんど入っていないものだとしたら、犬はそれが原因で食べない場合があります。
また、ドッグフードは空気に触れると酸化して、油の質が悪くなります。そのニオイも食欲を落とす要因になるほか、酸化すると健康を害する恐れがあるので、購入するときは開けたら1ヶ月以内に食べ切れる量のものを選びましょう。
愛犬がご飯を食べないときは、ドッグフードの原材料を見直して犬の健康に良いものかどうかを見直すことも大事です。
ストレスをためないようにする
犬がストレスを感じる理由はさまざまですが、少しの環境の変化がストレスになることがあります。普段から犬用のケージを置くなどして、安心できる場所を与えましょう。
新しい犬を迎えたり、飼い主さんに赤ちゃんが生まれたときに自分の居場所がなくなったと感じてしまう犬がいます。新しい犬を迎えたときは、何をするのにも先住犬を優先してあげましょう。撫でるのやご飯をあげるのも先に居た犬を優先します。
また、赤ちゃんが生まれたときは嫉妬で赤ちゃんに攻撃しないように、赤ちゃんのお世話が一段落したら犬と遊んであげるなど、あなたへの愛情がなくなったわけではないということを認識させてあげることで愛犬はストレスをためることがなくなります。
なかなか犬の偏食が治らない場合はどうすればいい?
吐く・下痢などをしていたらすぐに病院へ
犬がご飯を食べずに吐いたり下痢をしている場合は、病気にかかっている可能性があるのですぐに病院へ連れて行きましょう。
動物は自分が体調を崩していることを隠す傾向があります。飼い主さんが気づいたときにはだいぶ弱っている可能性もあるので、常に愛犬の様子を観察して普段と違ったら早めに病院へ連れて行くようにしましょう。
3日以上ドッグフードを食べなかった場合
偏食を治す方法を解説してきましたが、3日以上ご飯を食べずトッピングをしても食べない場合も病気を疑いましょう。
病気の場合は、食欲がない他に下痢をしていたりおしっこがいつもより多い、普段よりも寝る時間が長いなどの変化があるかもしれません。気になることがあったら病院で相談してみることをおすすめします。
犬の偏食が病気かわがままかを見極めよう
愛犬がご飯を食べなくなったときの偏食を治す方法をいくつかご紹介しましたが、ご飯を入れているお皿を他のものに変えてみるのもひとつの方法です。金属などの光るお皿が嫌いな子や、軽いお皿だと遊んでひっくり返してしまう子もいます。今まで使っていたお皿と質感が違うものにしてみる、犬が簡単にひっくり返せないお皿にしてみるなど、いくつか試してみてはいかがでしょうか。
犬にとってご飯は生きていくために必要なものなので、食べてくれないと心配になってしまいます。しかし、飼い主さんが神経質になると愛犬にもその感情が伝わって、ますます食べなくなってしまうことがあります。
あまり神経質にならず、おおらかに接して「いつか食べるでしょう」くらいの気持ちで向き合いましょう。
ただ、中には病気が原因の可能性もあるので、食べなくなったらまずは動物病院で相談するといいでしょう。そして普段から愛犬の健康に気をつけ、適度な運動をさせてストレスをためないようにしてあげることも大切です。
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