犬がキャットフードを食べたらどうなる?その症状・対策と飼い主さんが知っておくべきそれぞれのフードの違い 犬がキャットフードを食べたらどうなる?その症状・対策と飼い主さんが知っておくべきそれぞれのフードの違い

犬の食事・ドッグフード

犬がキャットフードを食べたらどうなる?その症状・対策と飼い主さんが知っておくべきそれぞれのフードの違い

犬と猫の両方を飼っている家庭では、フードの与え方に苦労していることがあるのではないでしょうか。猫のフードを犬が食べてしまうとか、またはその逆もあるかもしれません。ペット用のご飯だし、大丈夫でしょう?どちらかに統一したらだめなの?と考えてしまうこともあるかもしれませんね。では、犬がキャットフードを食べたらどうなのでしょうか。

犬がキャットフードを食べたがるのはなぜ?

犬がキャットフードを食べても大丈夫?犬と猫と飼っている飼い主さんが知っておくべきフードの違い

キャットフードはいいニオイがするから

犬は基本的に食にはあまりこだわらず、「ご飯そのもの」が大好き!という子が多いのですが、猫は好き嫌いが激しい動物です。昨日まで食べていたフードを急に食べなくなるなど、飼い主さんを悩ませることがあります。そして、「食べたくない」となると頑として食べなくなってしまうため、猫用の餌には猫の食欲をそそるおいしそうな香りが浸けられています。犬が猫のフードを食べたがるのは、猫用のフードのほうが香りが良いと感じるからです。

キャットフードはおいしいから

一般的に犬はどんな味でもおいしそうにフードを食べてくれます。しかし、前述したように猫は食欲にムラがあるため、いろいろな味のフードが用意されています。魚、鶏肉、牛肉、ラムなどさまざまな味付けのものがあり、犬にとってもおいしいと感じるものが多いのです。

ドッグフードとキャットフードの違い

犬がキャットフードを食べても大丈夫?犬と猫と飼っている飼い主さんが知っておくべきフードの違い

犬と猫の違いによるフード

オオカミが祖先であった犬は元々肉食でしたが、人と一緒に暮らしていくうちに人間の食べた食事の残り物を食べるようになって、いつしか雑食になっていきました。そして、犬の身体は野菜や果物などを消化できるようになっていったのです。

今では犬は雑食、猫は肉食となりました。猫は肉食なので、野菜などを消化するのが苦手です。このことから、犬用と猫用のフードに含まれている成分が異なります。
また、犬は体内でβ-カロチンをビタミンAに変換することができますが、猫の身体にはその酵素が備わっていません。この差もフードに反映されることがあります。

犬と猫の好みの違い

人間と同じように動物の舌にも「味蕾」という味を感じる器官があります。人間の味蕾の数は約1万個ほどありますが、犬は約2,000個ほどで猫は約500個くらいです。人間が感じる味は、甘味・塩味・苦味・酸味・旨味の5種類ですが、犬は甘味・塩味・苦味・酸味の4種類、猫は塩味・苦味・酸味の3種類です。

このことから分かるように、猫は犬よりも感じる味の種類が少ないため、猫のフードは味付けが濃くなっていて、塩味は犬用のものより少し多めになっています。

このように、犬よりも味を感じにくい猫が食欲が出るようにキャットフードには食いつきがよくなるような工夫がされているのです。そのため、犬には自分のフードよりも猫用のフードのもののほうが美味しそうに感じてしまうのでしょう。

含まれている栄養成分の差

肉食である猫のためのフードは、主成分が肉や魚を使っているものが多く、犬用のフードは肉を主原料にしているものが多いです。猫は犬よりも高たんぱくで高脂肪なフードを与える必要があります。犬用も猫用も主原料はたんぱく質ですが、キャットフードにはドッグフードの約2倍のたんぱく質・塩分・脂肪が含まれています。

キャットフードにはタウリンが含まれているなどの成分の違い

犬がキャットフードを食べても大丈夫?犬と猫と飼っている飼い主さんが知っておくべきフードの違い
犬と猫は身体に必要な栄養素が異なりますが、そのひとつにタウリンがあります。

犬はこのタウリンを体内で作り出すことができますが、猫にはタウリンを作り出す酵素を持っていないため、フードから摂取する必要があります。タウリンは網膜の健康に関わっていて、食べ物の消化をサポートする働きもあります。
タウリンが不足すると、失明や心筋症を引き起こす恐れはあるため、キャットフードにはタウリンが豊富に含まれています。そして、体内で生成できる犬のドッグフードにはタウリンはほとんど入っていません。

キャットフードにはビタミンAが含まれている

犬はビタミンAを体内で生成できますが、猫は作り出すことができません。ビタミンAは皮膚や粘膜の健康に役立ち、特に妊娠中の母猫にしっかり摂取させてあげないとお腹の子猫に奇形が生じてしまうことがあります。猫の健康維持のためにはビタミンAをキャットフードから摂取させる必要があるので、キャットフードにはビタミンAが含まれています。

犬がキャットフードを食べたらどうなるの?

犬がキャットフードを食べても大丈夫?犬と猫と飼っている飼い主さんが知っておくべきフードの違い

キャットフードを食べると下痢・嘔吐をする

キャットフードは猫の身体に合わせて作られたものなので、犬の身体には合いません。すぐに悪い影響が出ることはないものの、元々胃腸が弱い犬の場合はキャットフードを食べたことによって嘔吐や下痢をする場合があります。

塩分が多いため腎臓に負担がかかる

前述したように、キャットフードには塩分が多く含まれています。そのため、犬がキャットフードを食べてしまうと塩分の過剰摂取になってしまうのです。

塩分を過剰摂取した場合、余分な塩分は尿として体外へ排出されるのですが、そのとき腎臓に負担をかけることになります。食べ続けることで、常に腎臓に負担をかけることになり、最悪の場合は命に関わることもあります。

犬がキャットフードを食べ続けるとタウリン過多になる

犬はタウリンを体内で生成できるため、キャットフードを食べ続けるとタウリンの過剰摂取になります。タウリンを過剰摂取した場合、尿や汗として体外へ排出されて身体への悪い影響はないとされていますが、余分な栄養を摂取するのはよいとはいえません。

キャットフードは高カロリーで高脂肪なので肥満になりやすい

ドッグフードよりも高カロリーで高脂肪のキャットフードを犬が食べ続けるとカロリーの摂り過ぎになります。カロリーオーバーになることは肥満になる恐れがあるということです。犬が肥満になると人間と同じように動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす恐れ、そして成人病の原因となります。

犬がキャットフードを食べないようにする2つの工夫

犬と猫を時間差で食べさせる

犬と猫を飼っている家庭では、猫が残したものを犬が食べてしまうなどの悩みを抱えていることも多いようです。その悩みを解決するためには飼い主さんがさまざまな工夫をする必要があります。

まず、ひとつ目はフードを与えるときに順番で与える方法です。このときに注意しなければならないのは、先に飼い始めた方から食べさせることです。

ペットの間にも上下関係があり、先住のペットの方を優先させてあげないと関係が崩れることがあります。動物の心は繊細で、自分が愛されていることでまわりに優しくできるという性質があります。そのため、どちらにも自分が一番愛されているのだと思わせることが大切です。後から迎えた子のほうにも先住の子が見ていないところでおやつを与えたり、抱っこして優しく声をかけてあげるなどのフォローが必要です。

別の部屋やケージを使って餌を与える

もうひとつは、別々の部屋で食事をさせること方法です。犬は食事をがっついて食べるためすぐに食べ終わってしまいますが、猫は比較的ゆっくり食事をします。そのため、食べ終わるタイミングにずれが出てしまうため、同じ部屋で食事させるとお互いに落ち着いて食事ができないことがあります。

部屋数が足りないなど、それが難しい場合は猫はケージの中で食事をさせるようにするといいでしょう。ケージを用意していない家庭もあるかもしれませんが、飼い始める時に用意することをおすすめします。

犬がキャットフードを食べないように注意するのが飼い主さんの役目

犬と猫のフードは含まれているものが異なることが分かっていただけたでしょうか。それぞれに必要な栄養、成分が違うためフードも専用のものがあるのです。愛犬がキャットフードを食べ続けることで健康に悪影響を与えてしまう恐れがあるので、食事の時間は工夫してドッグフードのみを食べさせるようにしましょう。
愛犬の健康を守れるのは飼い主さんなのです。

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