いちごは飼い主と愛犬が一緒になって食べられる食材のひとつです。しかし、愛犬にいちごを与えるときはいちごの特性とキシリトール摂取量について知っておく必要があります。この記事ではいちごの基本知識と注意しておきたいポイントをご紹介いたします。
愛犬にいちごを与えても大丈夫?
注意不足で愛犬がいちごを食べてしまった場合、どんな症状が現れるのか心配になりますよね。いちごを愛犬に与えても大丈夫なのか、結論から言うとパックごと食べたなどといった場合を除き特に問題ありません。
ただし、いちごに含まれるキシリトールの摂取量に注意する必要があり、食べても良いとされるいちごの目安量はあります。
そもそも「いちごにキシリトール成分?」と疑問を感じられた飼い主の方も多いのではないでしょうか。ここでは甘酸っぱくて美味しいいちごの栄養分と、あまり知られていないいちごの成分について詳しくご紹介いたします。
春に甘酸っぱく手軽に食べさせられる旬ないちご
甘いいちごの旬は晩春から初夏にかけての季節で、甘みを多く含み酸味は少なく、果肉は柔らかい特徴があります。比較的しっかりとした歯ごたえの果肉を味わいたいなら、冬時期の夏いちごが旬となります。やや酸味が強く果肉がしっかりしているため、日持ちがよく扱いやすい特徴があります。
5月から6月までは国産の甘いいちごが市場に並びやすく、収穫量のバランスを見ながら11月から翌年の4月に向けて国産のやや酸味の強い夏いちごが並びます。その他の時期はカリフォルニア産などの輸入品が市場に多く出回ります。
甘みのある果肉があるため果物と間違われる方も多いですが、スイカやメロンと同じで野菜に分類されており、食べさせる量を守れば愛犬に与えても問題はありません。
いちご100gあたりの成分
いちご100gあたりの成分は水分が90g、食物繊維が1.4g、キシリトールが350mg含まれています。いちごは水分量を多く含むため、夏場の水分補給にぴったりで愛犬の熱中症対策にも有効です。
いちごの栄養分
真夏の水分補給にも適したいちごですが、摂取できる栄養分は愛犬にとってどのような効果があるのかも気になるところです。ここではいちごに含まれる栄養分とその効果についてご紹介いたします。
ビタミンC
いちごに含まれるビタミンCの栄養分は50mg~100gmです。ビタミンCは体内でコラーゲンを作るのに必要不可欠な栄養で、皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。愛犬の抗酸化作用にも効果が期待でき、動脈硬化や心疾患を予防する働きがあります。
カルシウムC
いちごに含まれるカルシウムの栄養分は200gmです。カルシウムは愛犬の体を支えるために必要な骨を作る栄養素です。その他にも、神経の働きや筋肉運動などの生命維持に欠かせない役割があります。多くのカルシウムは骨に蓄えられていて、絶えず骨に蓄積され骨から体内へ少しずつ吸収されます。
マグネシウムC
いちごに含まれるカルシウムの栄養分は0.4gmです。このマグネシウムも骨を作るのに必要な栄養素です。マグネシウムも骨に蓄えられていて、神経の興奮を抑えたり血圧維持をするために、骨から体内へ少しずつ吸収されます。
愛犬に与えてもいい1日のいちごの量は何個?
いちごの与えすぎは危険と言われていますが、実際にどの程度食べてしまうと危険なのでしょうか。1日の目安を頭に入れておくことで、もしも愛犬が誤食した場合でも慌てず対処することができます。ここでは愛犬に与えても良い1日の目安についてご紹介いたします。
愛犬がいちごを摂取するとどうなる?
いちごに含まれるキシリトールを体内に摂取すると、インスリンが分泌され血糖値が下がります。インスリンが分泌されなくなると、血液中のブドウ糖がうまく吸収できず、血液中で固まり高血圧の原因となります。インスリンで血糖値を下げることは糖尿病や高血圧に有効的で、血糖をコントロールするのに役立ちます。
いちごに含まれるキシリトール1000mgで低血糖が起きる
キシリトールとは虫歯予防の効果が期待できる成分として知られています。しかし、このキシリトールは、犬が多量摂取すると低血糖による中毒症状が起こるので注意が必要です。
犬がキシリトールを摂取した場合、20分程度でブドウ糖を摂取する時よりも約6倍多いインスリンが体内に放出されます。インスリンは血液中の糖を細胞に取り込む働きがあり、通常よりも6倍の糖が吸収されてしまうため低血糖が起こります。そして、1000mg以上のキシリトール摂取が中毒症状になる目安で、場合によっては死に至る場合もあるため、与える量には十分注意する必要があります。
愛犬にあげていいいちごの量の目安
いちごに含まれるキシリトールは100g中に350mg存在します。いちご1粒の平均が30g前後なので、1粒あたり106mgのキシリトールが含まれていることになります。いちごを10粒食べると中毒症状になる目安の1000mg越える計算となります。
ただし、あくまで低血糖になる目安で、10粒に届かなければ食べても良いとされている訳ではありません。水分を多く含むいちごは、食べ過ぎるとお腹が緩くなったり逆に便秘になるなど、腸内環境のバランスを崩す原因にもなります。その他にも甘いおやつを与えすぎると通常の食事を口にしなくなるので気をつけましょう。
- 小型犬は1日に1粒
- 中型犬は1日に1粒~2粒
小型犬の健康や食事を考えると1日に1粒程度が理想的です。
中型犬の場合も、健康や食事のことを考えると1日に1粒~2粒程度を目安にすると良いでしょう。
犬にいちごを与える時のポイント
キシリトールの摂取量が気になるいちごですが、与える時に気をつけておきたいポイントがいくつかあります。ここではひと手間加えることで愛犬が喜ぶポイントを紹介いたします。
小型犬にはいちごを細かくカットで食べやすく
小ぶりのいちごの場合は、噛まずにそのまま丸呑みする場合もあるので危険です。大粒のいちごの場合は、大きすぎて食べづらいので細かくカットしてあげましょう。そうすることで消化しやすくなります。
いちごに含まれるビタミンを摂取させたい場合には加熱しない
いちごに含まれるビタミンCは熱に弱く、加熱するとビタミンCが壊れ低下します。愛犬の動脈硬化や心疾患を予防させたい場合は、ジャムのように熱を加えず、そのまま生で与えるといいでしょう。
犬はいちごのヘタを消化できず嘔吐の原因にもなるので取り除く
いちごのヘタは消化できないため、そのまま排泄物に混ざって出てきます。
場合によっては喉に詰まり、嘔吐の原因にもなるので1粒ずつ取り除いて与えましょう。いちごのヘタとは真逆の方向からストローを押し込むと、きれいにヘタを取り除くことができます。
犬に初めていちごをあげるときは体調の変化に注意する
特別な日や何かのご褒美として与えやすいいちごですが、初めて食べさせる場合は体調の変化に注意する必要があります。
特に犬によってはアレルギーを持っている場合もあり、その症状は30分程度で反応が出る場合もあれば1日経過して反応する場合もあるので、注意深く経過を観察しましょう。
犬の舌が腫れて痛みが見られたらアレルギーを疑う
バラ科のアレルギー反応がある場合は少量のいちごから始め、アレルギー反応が出ないか確認する必要があります。嘔吐やくしゃみ、皮膚の痒みや目の充血が見られた場合は、かかりつけの獣医に相談するなどの迅速な対応が必要です。
いちごに含まれるペクチンが増え過ぎると下痢になる
食物繊維に含まれるペクチンは、犬の腸内細菌に働きかけ環境を整えるのに役立ちます。しかし、食物繊維が多すぎると逆に腸内環境のバランスが崩れ、下痢になる恐れがあります。夏場の水分補給に適しているおやつですが、与えすぎには注意が必要です。
愛犬の歯周病がいちごで治る?!
遺伝子の組み換えで、高濃度のインターフェロンを含むいちごが栽培できるようになりました。インターフェロンとは細胞の反応により分泌されるタンパク質で、ウィルスを攻撃し増殖を抑制する働きがあります。そのインターフェロンを含むいちごを犬の歯周部位に塗り込むと出血を止めてくれる働きがあります。
実際に現在の犬の歯周病治療にもインターフェロンが使われていて、歯周部位に塗り込み口内の免疫力を高め治療する方法が存在します。
いちごの栄養や摂取量を理解して適切な量を犬に与えよう
犬にいちごを与える場合は特性とキシリトール摂取量について理解することが大切です。いちごは飼い主と愛犬が一緒になって食べられる食材のひとつです。おやつ時間をうまく活用するなど、食べる量をうまくコントロールすれば愛犬と一緒に楽しい食事の時間を過ごすことができます。
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