水分を多く含む完熟のトマトは、愛犬も食べることのできる食材のひとつです。しかし、与え方を間違えると中毒症状やアレルギー症状を起こす原因ともなるので注意が必要です。この記事では、愛犬の免疫力を高め生活習慣病の予防にもなるトマトについて、基本知識と注意点をご紹介いたします。
犬は生のトマトを食べられる?
完熟した真っ赤なトマトには老化を予防する栄養素が含まれています。適量を守って与えることは愛犬の健康維持をサポートすることにつながります。
一方で、未熟で青いトマトには犬にとって毒となる成分が含まれているので避けた方がいいでしょう。ここでは、トマトに含まれる毒性のある物質についてご説明いたします。
完熟トマトなら愛犬に与えても大丈夫
完熟トマトにはリコピンなど健康に良い栄養素が含まれているので、生活習慣病などを予防する働きがあります。完熟トマトなら愛犬が口にしても問題ありません。ドッグフードからは摂取できない栄養素もあるので、愛犬の健康を維持するのに適度に取り入れましょう。
未熟トマトは毒性のあるトマチンが含まれているので愛犬へあげるのはNG!
未熟なトマトの中には毒性のあるトマチンと呼ばれるアルカロイドの一種が存在します。このトマチンには芽の出たジャガイモと同じような毒素が含まれています。
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- 葉や茎、ヘタにもアルカロイドは含まれる
未熟なトマトに含まれているアルカロイドですが、身以外にも葉や茎、ヘタにも多く含まれています。誤って愛犬に与えないように注意しましょう。
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- アルカロイド中毒症状とは
植物が作り出すアルカロイドは1万以上の種類があるとされています。トマトが作り出すアルカロイドのトマチンは害虫や草食動物から実を守ってくれます。しかし、犬が過剰に摂取した場合、血中の赤血球が破壊され、嘔吐や下痢に始まり、重症化した場合には死に至るケースもあります。
トマトに多く含まれるトマチンの含有量とは
トマトの組織に含まれるトマチンの含有量は1100mg~896mgと花に最も多く、その次に葉、茎の順に少なくなります。果実は成長により含有量が異なり、未熟なトマトは465mgのトマチンを含んでいますが、完熟トマトまで成長すると含有量は0.4mgまで減少します。未熟と完熟で約1000倍もの違いがあるのです。
トマトに含まれる栄養と効果・効能
トマトにはリコピンやビタミンエースと呼ばれる、体に良い栄養素が豊富に含まれています。この栄養素には老化を早める活性酸素を抑える効果があり、免疫力を高めて健康を維持するのに役立ちます。ここではトマトに含まれる栄養とその効果についてご説明いたします。
抗酸化作用を減らすリコピン
リコピンの抗酸化作用は、愛犬の健康や美容に効果が期待できる栄養素です。その他に、トマトの酸味の素であるクエン酸は疲労回復に効果があり、健康を維持するのに役立ちます。
栄養分の相乗効果で抗癌作用に期待
トマトにはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEが含まれています。このビタミンの頭文字をとってビタミンエースと呼ばれ、栄養分の相乗効果で愛犬の免疫力が高まります。この免疫力を高める効果が、癌予防になると言われています。
含まれる水分量が多いので水分補給になる
食べながら水分補給もできるとして注目されているトマトは、その通り水分量は94%も含まれています。夏場の熱中症対策としてトマトを与える飼い主も増えています。
トマトの皮に多いケルセチン
トマトの皮にはケルセチンの成分が含まれているので、動脈効果の予防が期待されています。ケルセチンには酸化や炎症を抑え、血圧を下げる働きもあります。
愛犬へのトマトの与え方
愛犬が野菜が好きだからと、トマトを与え続けるのは危険です。ここでは、効果的なトマトの与え方や気をつけるポイントについてご説明いたします。
愛犬に1回であげるトマトの量とは
抗酸化作用や免疫力を高める作用のあるトマトですが、水分を多く含んでいるので与えすぎると軟便になりやすいです。トマトを与えるなら愛犬の健康を考えて1日にミニトマト2個程度の量に抑えましょう。
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- 食べ物アレルギーに気をつける
犬の40%が食べ物アレルギーを持っています。特に野菜の中でもトマトはアレルギーが出やすいと言われている食べ物です。初めて与える場合は少しだけトマトを与え、経過を観察しましょう。下痢や嘔吐、震えなどの症状が見られたら、かかりつけの獣医に相談するなど迅速な対応が必要です。
熱を加えてペースト状にするとリコピンの吸収が3倍良くなる
トマトのリコピンは脂溶性で、熱を加え摂取すると吸収されやすい特徴があります。愛犬の健康のためにも油で炒める調理は避けて、煮込んで作るスープがおすすめです。
消化しきれずトマトが出てきた場合には小さくカット
犬は人に比べて野菜の消化がしにくく、消化しきれずにそのまま出てくることもあります。そんな時は愛犬が消化しやすいように細かくカットするか、もしくは煮込んで加熱してあげると良いでしょう。
トマトの加工品を愛犬へ与える場合に気をつけたいポイント
市販されているトマト製品の多くは、人が美味しく食べられるように加工されています。知らずに食べさせると、犬にとっては害となる場合も多いので、購入する際には気をつけましょう。
トマトジュース
血圧にも血中コレステロールにも良いとされている市販のトマトジュースですが、人が美味しく飲めるように食塩を加えて加工されています。愛犬に与える場合には食塩の入っていない無添加のトマトジュースを購入しましょう。
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- 塩分
犬は食べ物に含まれる塩分で十分に足りるため、味付けで加工された食品は与えないようにしましょう。
トマト缶
トマト缶の中には調理しやすいように味付けされた物や、添加物を入れたものが販売されているケースも少なくはありません。原材料表記を見て無添加のトマト缶を購入するよう注意しましょう。
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- ニンニク
ニンニクの芽には中毒作用があり、愛犬が下痢になる場合があるので注意が必要です。
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- 香辛料
香辛料の代表とも言われる唐辛子には、カプサイシンという成分が含まれています。この成分は愛犬の胃に負担をかけて悪い影響を与える恐れがあります。
トマトケチャップ
トマトケチャップは砂糖やお酢、食塩にタマネギなどの食材で作られているため、愛犬に食べさせるのはおすすめできません。特にタマネギは愛犬の健康を害する場合が多いので注意が必要です。
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- タマネギ
犬がタマネギを摂取すると赤血球内のヘモグロビンを酸化させて、貧血が起こります。ヘモグロビンが排泄されることで血尿や血便になる場合もあります。
ドライトマト
おやつ感覚で食べられるドライトマトは、砂糖で味付けされたトマトが多く、愛犬に食べさせるのはおすすめできません。無添加のドライトマトを選びましょう。
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- 砂糖
人と同じで、犬が過剰の砂糖を摂取すると肥満になります。犬でも糖尿病などの生活習慣病にかかる場合があるので注意が必要です。
愛犬にトマトを与えるときに気をつけること
適切な量であれば、トマトは愛犬にとってもメリットがある食材です。ここでは愛犬にトマトを与える際に気をつけるポイントをご紹介します。
トマトで稀にアレルギー症状の出る愛犬もいる
果物アレルギーをもっている愛犬の場合、トマトを与えるのは避けましょう。果物アレルギーの場合、天然ゴムアレルギーを持っていることも多いので、痙攣や呼吸困難を引き起こす恐れがあります。最悪の場合、死に至ることもあるので注意が必要です。
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- ブタクサやシラカバ、スギのアレルギーがあれば要注意
地面に生えているブタクサや樹木のシラカバなどのアレルギーがあった場合、分子構造が似ていることで起こるアレルギーがあります。花粉アレルギーがある場合は、トマトを与えるのは避けましょう。
症状がおさまらない場合にはかかりつけの動物病院で
犬も人と同じように油断すると中毒症状になり、アレルギーにかかります。重い症状になる場合もあるので、経過を観察しても症状の改善が見られない場合には、かかりつけの獣医に相談し対応を仰ぎましょう。事前に対応できる病院を探しておくことも必要です。
青いトマトは避けて完熟したトマトで愛犬も健康的に
水分を多く含む完熟のトマトは熱中症の多い夏場のおやつにおすすめです。しかし、与え方を間違えると中毒症状やアレルギー症状を起こす原因となるので注意が必要です。青いトマトを避けて、完熟したトマトのみを与えるようにしましょう。
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