犬ってにんにくを食べても良いの? 犬ってにんにくを食べても良いの?

犬の食事・ドッグフード

犬ってにんにくを食べても良いの?

夏バテなどの疲労回復に効果があるにんにく。私達人間は、パスタやギョウザなどににんにくを入れておいしくいただくことが多いのですが、愛犬にもにんにくを食べさせても良いものかどうか詳しく解説します。また、にんにくを活用した民間療法も併せてお伝えします。

犬がにんにくを食べてしまったけど大丈夫??

にんにくと言えば、すぐにあの独特のにおいを思い浮かべる方は多いと思います。この臭いの元はアリシンです。厳密に言うと、アリシンのもととなるアリインという物質が含まれています。このアリインが切られる、すりおろされるなどされるか、アリナーゼという酵素によって分解されることでアリシンとなります。アリシンは疲労回復効果をもたらす成分です。また、アリシンには、タンパク質の消化促進、胃液の分泌促進、代謝作用を高めると言ったような効果もあります。夏季の暑い季節には食欲も減退してしまいます。夏バテによる疲労回復のためには、アリシンの効果によって、胃液の分泌が促進され、栄養が吸収されやすくなり、代謝作用も高まることにより、疲労回復も期待できるというわけです。

なお、にんにくは、消化器系のガンのリスクを減少させる可能性があると言う研究成果もあります。にんにくは、体内の免疫力をアップする効能が期待されています。。にんにくのにおい成分が変化したスルフィド類はナチュラルキラー細胞を活性化し、がんの発生を予防するためと言われています。

更にO157菌などの腸管出血性大腸菌に対する殺菌力も動物実験などから明らかとなっています。

このように、にんにくには優れた効能があるのですが、果たして私たちの可愛い愛犬に与えても大丈夫なものなのでしょうか。

 

絶対にダメ!というわけではないけど・・・

結論から先にお伝えします。犬に、にんにくを絶対に与えてはいけないというわけではありませんが、あえて与える必要はありません。貧血症、アレルギー症の犬、特に仔犬にはにんにくを食べさせないようにしたほうが良いでしょう。また大量に食べてしまった場合には、中毒症状を引き起こし、最悪の場合には死に至る恐れもあります。

 

犬にもにんにくは滋養強壮の効果があるの?

にんにくは、人間にとっては滋養強壮の効果がありますが、犬に対して同じ効果が認められるのかという点については、獣医師の間でも意見が分かれています。正しくドッグフードを与えていれば、無理ににんにくを与える必要はありません。しかし、にんにくの効果を期待して、夏バテ対策などの一環として愛犬に与えたいとお考えでしたら、かかりつけの獣医と相談することをお勧めします。かかりつけの獣医でしたら、あなたの愛犬の健康状態を把握しているはずですから、にんにくを与えることによるリスクも低減されると思います。

 

中毒、致死量はあるの?

にんにくは、犬に与えてはいけない玉ねぎと同じユリ科ネギ属の植物です。にんにくには、中毒を起こす成分である「硫化アリル」や「アリルプロピルジスルフィド」が多く含まれています。犬は「硫化アリル」を消化できません。また加熱しても分解されません。万が一、犬が大量に食べてしまった場合には、赤血球が急激に破壊される「溶血性貧血」を引き起こす恐れがあり、最悪の場合には死に至ることもあります。その他にも、下痢、血便、胃痛、食欲不振、おう吐といった中毒症状を起こす可能性が高いのです。犬の大きさによって致死量は異なりますが、チワワなどの小型犬などは十分に注意しましょう。

 

にんにくの芽は食べてもよい?

にんにくの芽には、「硫化アリル」がにんにくよりも多く含まれています。できるだけ与えないようにしましょう。もし食べてしまった場合には、応急処置として、3%程度の食塩水を与えて強制的におう吐させる方法もありますが、危険性が高いので、かかりつけの獣医師に診察していただきましょう。

 

犬用のサプリににんにくが入っているけど大丈夫?

さきほどご説明したとおり、犬ににんにくを与える是非に関しては、獣医師の間でも意見が別れています。犬用のサプリは、近頃では数多く販売されています。おそらく、犬用サプリに、にんにくが含まれている製品は、体調を崩さない程度であれば、にんにくの効果を期待して与えてもよいという説に沿っていると思われます。しかし、最初からサプリに頼るのではなく、犬の身体にやさしい天然由来のドッグフードを正しく与えるなど、日々の健康管理に努めることが、飼い主の責務であると思います。

 

にんにく風呂というものがあるらしい?!

そもそもにんにく風呂って何?

菖蒲湯(しょうぶゆ)や柚子湯(ゆずゆ)など、古来から伝わる入浴療法はご存知のかたも多いと思います。菖蒲にはアサロンやオイゲノールという精油成分が多く含まれているため、腰痛や神経痛を和らげる効果が期待できます。また、菖蒲湯にはアロマセラピー効果もあります。柚子湯は血液の流れを良くする血行促進効果があると言われ、冷え性や神経痛を和らげる効果が期待できます。

ところで、近頃「にんにく風呂」と呼ばれる入浴療法があります。にんにくを5分程度蒸して、ガーゼなどに包んでお風呂に入れます。指先で潰して5分ほど浸かります。シャワーなどで洗い流さずに、タオルで拭くだけです。またにんにくにふくまれている「アリシン」は水に溶けやすく、臭いもほとんどなくなります。

 

にんにく風呂の効果って?

にんにくの有効成分は肌から吸収されやすく、皮膚から吸収されたニンニクエキスが細胞のはたらきを活発にし、代謝機能を高めて、皮膚病やアトピー対策に効果があると言われています。さらに自然治癒力も高める効果が期待されます。 効果として、皮膚病対策に加えて、冷え性、肩こり、腰痛、神経痛などの症状を改善する働きがあります。

 

アトピーや皮膚病に聞くってホント??

にんにく風呂は、犬の皮膚病にも効果があると言われています。にんにくに含まれているアリシンは、除菌効果が強いためアトピーや皮膚病の改善が見込まれます。

入浴方法は、にんにく1かけを薄皮をむいてラップなどに包んで10分ほど煮ます(電子レンジで30秒ほど加熱しても構いません)。浴槽に37度程度のお湯を張り、ガーゼに包んだにんにくを入れて指先で潰します。入浴前にはシャワーなどで犬の全身の汚れを流しておきます。犬を浴槽に入れて全身にお湯をかけて、皮膚にお湯が浸透するようにしてください。効果的な入浴方法は、5分程度身体にお湯をかけて、2分ほどお湯から上げて犬の身体を休ませます。これを3回繰り返します。その後、シャワーなどで流さないで、タオルドライで水分を拭き取り、自然乾燥するだけです。乾いたあとのブラッシングは忘れないでくださいね。また入浴中は換気扇を回さないでください。

にんにく風呂は、シャンプーの洗い残しやドライヤーなどの乾燥によって、皮膚にダメージを与えずに、皮膚を除菌するために、皮膚病などに効果があるようです。入浴後はにんにくのにおいもなく、毛のつやと弾力がよみがえります。

ただし、にんにく風呂はあくまでも民間療法です。すべての犬に効果があるとは限りません。また、アトピーは遺伝によるものに加えて、外因としてハウスダストや食事も影響があると言われています。アトピーや皮膚病にかかっている愛犬の治療は、獣医師に診断していただき、相談の上、その補助のためににんにく風呂を使う方がよろしいのではないでしょうか。

 

頻度はどのくらい?

にんにく風呂の頻度は、あなたの愛犬の皮膚病にもよりますが、室内犬でしたら週2回程度で様子を見てください。慣れてきたら毎週でも構いません。

 

まとめ

にんにくには、疲労回復の成分が含まれているからと言って、夏バテなどで元気のない愛犬に直接食べさせることは、避けるようにしてください。にんにくを過剰に摂取することによって、溶血性貧血を起こす可能性もあります。しかし、にんにくの有効成分をうまく活用した、にんにく風呂は、犬の体内に、にんにくが直接入ることがないため、アトピーや皮膚病対策に効果が期待できますが、あくまでも民間療法のひとつです。日頃から愛犬を清潔にし、身体に優しい食事を与えるなど、愛犬の健康管理を怠らないよう心がけてください。

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