犬の健康を考えて添加物や保存料が使われていない、手作りのごはんを食べさせたいと思っている人も多いのではないでしょうか?しかし、人間にとって健康にいい食材でも犬にとっては健康を阻害してしまう食材もあるので、手作りご飯を与える時には注意が必要です。そこで今回は手作りのご飯を与える時のメリットやデメリットをまとめてご紹介します。
愛犬に手作りご飯を与えるメリット
手作りご飯は愛犬の食いつきがよくなる
手作りご飯は新鮮な食材を使い、できたてを与えることができるので香りや味の嗜好性も高いです。そのため市販のドッグフードに比べると、犬の食いつきが良くなるケースが多いです。
愛犬の体重を管理できる
手作りご飯は使う食材によってカロリーを調整することができます。肥満気味の子には炭水化物や糖質を控え、低カロリーなささみなどをご飯に混ぜてあげることで、愛犬の体重管理ができるメリットがあります。
食べ物から水分を摂ることができる
手作りご飯を作る時には肉や野菜をメインにして作るため、アレルギーの原因になってしまう添加物や小麦を含まないように作れます。
また、手作りご飯にアレルギーを抑える働きのある鹿肉を使うことで、今アレルギー症状に悩んでいる子の強い味方になってくれるでしょう。
手作りご飯はアレルギー対策ができる
手作りご飯を作る時には肉や野菜をメインにして作るため、アレルギーの原因になってしまう添加物を一切含んでいません。
またあらかじめ病院などでアレルギー検査をしておけば、食事を作る時にアレルゲンとなる食材を使わないようにすることで、簡単にアレルギー対策ができます。
愛犬に手作りご飯を与えるデメリット
手作りご飯は時間やコストがかかる
市販のドッグフードならパッケージを開封して食器に移すだけで、簡単に与えることができます。
しかし手作りご飯の場合は、食材の下ごしらえや調理と手間がかかります。またさまざまな食材を使うことで、ドッグフードに比べるとコストがかかってしまう面もあります。
犬に対する栄養の知識が必要
愛犬のご飯を作る際は正しい知識をもつことが大切です。
人間が食べて問題がない食材でも、犬にとっては命の危険がある食材もたくさんあります。
また、人間と犬とでは必要な栄養素の量が異なります。例えば、身体のさまざまな組織をつくるアミノ酸です。約20種類あるアミノ酸のうち、愛犬の食事に摂取すべき必須アミノ酸は10種類あります。この必須アミノ酸は体内で作れず、不足すると体調不良が起こる恐れがあるので、必ず摂りいれるようにするなど注意が必要です。
栄養は多すぎても少なすぎても健康に良くありません。ひとつひとつの栄養素に対して正しい知識を持って、ご飯を作らなければならない難しさがあります。
嗜好性の高い手作りご飯でドックフードを食べなくなる恐れがある
香りや味の嗜好性が高い手作りご飯を与え続けることで、その味や香りに慣れてしまいドッグフードを食べなくなることがあります。
飼い主さんが手作りごはんを毎日与えることができればいいのですが、旅行で愛犬をペットホテルに預ける時などにドッグフードを食べてくれないことがあります。
歯垢がつきやすくなり歯周病の可能性が高くなる
ドライフードに比べると水分が豊富に含まれている手作りご飯は、歯にくっつきやすいので歯垢がついて歯周病になる可能性が高くなるデメリットがあります。
愛犬の手作りご飯に欠かせない食材
肉や魚
鶏肉や牛肉、豚肉などの肉類はタンパク質を豊富に含む食材のため、犬の手作りご飯には欠かせない食材です。肉類を与える時にはできるだけ脂身が少ないものを選び、加熱調理をして与えるようにしましょう。
魚の場合はタウリンやDHAやEPAなどの栄養を豊富に含む青魚や、タラやカレイなど脂肪分の少なく消化しやすい白身魚がおすすめです。
犬のご飯の食材として肉や魚を使う場合は、できるだけ新鮮なものを加熱処理して与えてくださいね。
白米などの炭水化物
炭水化物を与える時は白米を選ぶといいでしょう。またビタミンやミネラルをしっかり与えたい時は、雑穀を混ぜるのもおすすめです。
同じ炭水化物でもうどんは塩分が多く含まれていたり、パンはバターなどカロリーが高くなってしまうため避けましょう。
野菜類
野菜類は食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれているので、手作りご飯の食材として欠かせません。
ただし野菜の中でもサツマイモやじゃがいもなど芋類は糖質も豊富に含まれていて、与えすぎてしまうとカロリーオーバーになってしまうため注意が必要です。
その他の食材
塩分が少なくタンパク質が豊富なカッテージチーズやモッツァレラチーズは犬の手作りご飯の食材としておすすめです。しかしあげる際は犬用のものを選ぶといいでしょう。
他にもワカメやひじきなどの海藻類も食物繊維やミネラルが豊富に含まれているので、これらの食材も上手に手作りご飯の材料として使うといいでしょう。
犬に与えてはいけない食材
ねぎ類
長ネギや玉ねぎ類を与えると、玉ねぎ中毒を引き起こしてしまうので犬に与えてはいけません。
ハンバーグなどに刻んで入っている玉ねぎや味噌汁に溶け出したエキスなど、少量でも死に至ってしまうケースもあるので絶対に使わないようにしましょう。
香辛料
唐辛子、タバスコ、わさび、コショウなどの香辛料は、犬に与えることで下痢を引き起こしてしまうことがあります。これらの香辛料だけでなく塩分も犬にとっては刺激が強いので、過剰摂取することで胃腸障害を引き起こしてしまいます。
ベーコンやハムなどの加工食品
ベーコンやハム、ウィンナーなどの加工食品には嗜好性を高めるために食品添加物だけでなく、塩分も豊富に含まれています。また犬にそのまま与えてしまうと塩分の過剰摂取になってしまいます。
加工食品の中には香辛料も含まれているものもあるので、犬のご飯の材料として使わないようにするのが無難です。
タコ・イカ・海老・貝類
タコ・イカ・海老・貝類などは、犬に与えることで消化不良を起こしてしまうケースがあります。
特にイカは消化しにくく、生のイカ以外にもスルメも丸呑みして腸閉塞の原因になってしまうことがあります。それだけでなくこれらの食材を生で与えてしまうとビタミンB1欠乏症に繋がってしまうこともあるので避けましょう。
牛乳
犬は牛乳に含まれている乳糖を分解することができないので、下痢などの症状が出ることがあります。犬に牛乳を与えたい時は、乳糖が含まれていない犬用の牛乳や豆乳で代用するのがおすすめです。
骨つき肉や魚の骨
骨つき肉や魚の骨は、誤って食べてしまうことで犬の食道や胃腸を傷つけたり、生の硬い骨で歯を傷つける恐れが考えられます。手作りご飯に肉や魚を使うときは、必ず骨を取り除いてから与えるようにしてください。
愛犬に手作りご飯を与える時に注意したい5つのこと
犬に与えてはいけない食材を使わないようにする
犬には間違って与えてしまうと死に至るケースがある食材もたくさんあります。手作りご飯を与える時は、NG食材が混ざってしまわないように注意してください。
犬が火傷しないように手作りご飯は冷ましてからあげる
肉などの食材は犬に与える時に加熱調理が必要です。しかし熱々の食材をそのまま与えてしまうと口の中が火傷してしまうこともあります。犬に手作りご飯を食べさせる時は、適度に冷ましてから与えるようにしましょう。
手作りご飯は食べ過ぎないように適切な量を与える
犬の手作りご飯を作る時は犬に栄養豊富なごはんを食べさせてあげたいと思う気持ちから、たくさんの食材を使ってカロリーオーバーになってしまうことがあります。
肉や魚などのタンパク質は不足すると免疫力が低下し、病気になりやすい身体になってしまいますが、反対に与えすぎると肥満につながるだけでなく、腎臓や肝臓に負担がかかって愛犬の健康に支障を与えてしまいます。
そのため肝臓や腎臓の疾患のある犬の場合、獣医に相談してから与える方がいいでしょう。このように栄養素はなんでも摂ればいいとは限らないため、与えすぎないように注意しましょう。
保存方法に注意する
まとめて手作りご飯を調理する時は、傷んでしまわないように正しい方法で保存しましょう。特に夏場は食材が痛みやすいので注意が必要です。もしまとめて調理する場合は、食材は下ごしらえしてから冷凍保存するなど保存方法を工夫するといいでしょう。
体調や体重をこまめにチェックする
市販のドッグフードから手作りごはんに変更する時は、犬の体調の変化を確認しながらあげるようにしましょう。体重を毎日チェックすることで食事が適量かどうかがわかります。
それだけでなく犬の便の状態を観察することで、きちんと消化できているかどうかを確認することができます。犬の健康を守るためにも手作りご飯を与える時はこまめに体調や体重をチェックしましょう。
愛犬の健康を守るために正しい知識で手作りご飯を活用しよう!
大切な愛犬にはできるだけ安心で安全な食事を与えたいと思うのが飼い主さんの気持ちです。そのため手作りご飯は愛犬の健康を守る強い味方になってくれます。
しかし、愛犬に手作りご飯を与える時は、市販のドッグフードを与える場合と違い、注意しなければいけないこともたくさんあります。誤った知識を持ったまま手作りご飯を与えてしまうと、せっかく愛犬の健康を考えて作ったご飯も体調を崩す原因になりかねません。
このように、手作りご飯はメリットもある反面、デメリットも多く飼い主さんの負担になってしまうこともあります。
最近では人間も食べることができる安全なドッグフードが増えています。大切な愛犬のためにも、必要な栄養素がきちんと摂取できる総合栄養食のドッグフードを検討してみてはいかがでしょうか。
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