人間にとってはお酒のおつまみやおやつになるナッツですが、実は犬には与えないほうがいいといわれています。中には食べてもいいナッツ類もありますが、犬にはあえて食べさせる必要はないでしょう。この記事ではナッツを食べると犬にどんな影響を与えるのか、解説していきます。
犬にナッツを食べさせても大丈夫?
ナッツには、「脂肪分が多い」「食物繊維が多い」「消化が良くない」という特徴があります。この3つの特徴を見ただけで、犬にはあげないほうがいいことはお分かりになるでしょう。脂肪分が多い=食べ過ぎると肥満につながるほか、肥満はさまざまな病気を引き起こす原因になります。
また、ナッツは全体的にアレルギーを引き起こしやすい食材でもあります。中には食べさせても中毒症状が起こりにくいものもありますが、あえて愛犬に食べさせることはないでしょう。
犬にナッツを与えてはいけない2つの理由
- ナッツの中には犬が中毒症状を起こすものもある
- ナッツは犬が消化不良を引き起こす恐れがある食材
ナッツにはさまざまな栄養素が含まれていて犬にもよいとされる成分もありますが、中には中毒性があるものもあります。
特にマカダミアナッツは食べると嘔吐や下痢などの中毒症状が出る恐れがあり、犬には絶対に与えないようにしなければなりません。
犬の身体はナッツ類をうまく消化することができないので、犬がナッツ類を食べると胃腸へ負担をかけることになります。
ナッツの種類別!犬に与える影響と注意点を紹介
中毒症状を起こす危険のあるマカダミアナッツは要注意
ナッツ類の中でもマカダミアナッツは犬に絶対に与えてはいけないナッツです。犬がマカダミアナッツを食べると、中毒症状を引き起こす危険性があるためです。
中毒を起こすメカニズムや原因については詳しく解明されていないものの、犬が口にすると数時間以内に嘔吐や震え、脱力感、腹痛などの中毒症状が出ます。症状は早くて食後1時間くらいからで、だいたいの場合は6~12時間以内に出るといわれています。
小型犬は2~3粒のマカダミアナッツを食べただけで中毒症状が出る恐れがあるので、口に入れてしまうことがないよう気をつけましょう。
消化不良を起こしやすいアーモンド
ナッツの中でも特にアーモンドは消化が悪く食物繊維が多いため、少量でも口にすると消化不良を引き起こし、下痢や嘔吐をする可能性が高いです。
また、アーモンドは粒が大きいので犬が丸呑みして腸閉塞になってしまう恐れがあります。中毒性はないものの、お腹を壊すリスクがあるので食べさせないほうがいいでしょう。
脂質や食物繊維が多いくるみは消化不良の原因に
くるみは少しであれば犬に与えても問題ないと言われています。
しかし、くるみには脂質が多く含まれていて、たくさん食べるとカロリーオーバーになる他、食物繊維も豊富なので消化不良を起こす原因にもなります。愛犬には与えない方が無難と言えるでしょう。
殻付きのピスタチオは犬が誤食しないよう特に注意
犬は食べ物を丸呑みにしてしまう動物です。殻の付いているピスタチオをそのまま飲み込んでしまうと消化できずに腸閉塞を起こしてしまいます。殻付きのピスタチオは特に犬には与えないようにしましょう。
脂肪分が多く含まれているピーカンナッツは犬の肥満の原因に
ナッツ類の中でもピーカンナッツは脂肪分が多く含まれているナッツです。与えすぎるとカロリーが高く肥満の原因になることと、消化もよくないので犬には与えないようにしましょう。
中毒症状は起こらないがカビ毒の危険性もあるピーナッツ
ピーナッツはビタミンやタンパク質が豊富に含まれている食材です。マカダミアナッツと異なり、犬が食べたことで中毒症状が出るという報告はないので少量なら食べさせても問題はありません。
しかし、ピーナッツはカビ毒の危険性もあります。汚染されたピーナッツを口に入れると中毒症状を起こす恐れがあるので、虫に食われているものや未熟なもの、古いピーナッツは絶対にあげないようにしてください。
また、ピーナッツは消化が良くない上、丸呑みして喉につまらせるリスクもあるので、あえて愛犬に食べさせる必要はないでしょう。
腎臓病を患っている犬は特に注意したいカシューナッツ
ナッツ類の中ではカロリーが低いカシューナッツは、犬の皮膚を健康にするビタミンB1やオレイン酸が多く含まれています。
ただし、生のカシューナッツには毒素が含まれているので、もし犬に与える場合は熱を加えたものにしましょう。
また、カシューナッツにはカリウムが多く含まれていて、腎臓病を患っている子に与えてしまうと高カリウム血症の原因になります。そうなると心臓に負担をかける恐れもでてくるので、誤って食べさせないように注意してください。
ヘーゼルナッツもあえて愛犬に食べさせなくてもいい食材
ヘーゼルナッツもピーナッツ同様、カビ毒の検出例があるので注意が必要です。そして他のナッツと比べるとサイズが大きく、喉に詰まらせる恐れもあります。
ヘーゼルナッツは栄養豊富ですが、健康を害す恐れもあるのでわざわざ愛犬に与える必要はないでしょう。
犬がナッツを食べてしまったときの症状と対処方法
犬がナッツを食べた!気になる症状や致死量は?
前項でも解説したように、犬がナッツを食べ過ぎると下痢や腸閉塞を起こす恐れがあります。
また、マカダミアナッツは嘔吐や下痢、痙攣のほか、重度になると腎不全を起こすこともあるので絶対に食べさせないようにしましょう。
そんな中毒性があるマカダミアナッツですが、犬がどのくらいの量を食べたらいけないのでしょうか。
個体差や犬の体調にもよりますが、一般的に体重1kgあたり2.4gのマカダミアナッツを摂取すると麻痺や運動失調を引き起こし、体重1kgあたり20gのマカダミアナッツを摂取すると命に関わるといわれています。
犬がナッツを食べてしまったときの対処方法
ナッツ類のすべてが中毒症状を引き起こす訳ではありません。
しかし、大量に食べてしまうと下痢や便秘、肥満、腸閉塞を起こす恐れがあるので注意が必要です。
もしも犬がナッツを食べてしまったら、どんな種類のナッツをどのくらいの量食べたのかを把握しておきます。そして、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。そのときに、獣医師に説明できるように犬の行動をしっかり観察しておきましょう。
ピーナッツバターは犬が食べても大丈夫?
ナッツは食べさせない方がいいものもありますが、ピーナッツバターはどうでしょうか。
ピーナッツバターは砂糖が多く含まれている上に脂質が多いため犬には与えないようにしましょう。
また、ピーナッツチョコレートの場合、同様に脂質と砂糖が犬にはよくないことに加え、チョコレートも犬にとって中毒性がある食べ物なので絶対にあげないようにしましょう。
ナッツ以外の食材で愛犬の健康を守ろう
ナッツには豊富な栄養が含まれていますが、中毒を引き起こす恐れがある食材でもあります。ナッツを食べてしまい、中毒症状が起きても動物病院では有効な解毒剤がありません。応急処置として、中毒を起こす原因を体外に排出するために催吐剤が処方され、点滴で水分を補給する治療が行われる場合が多いです。
ナッツは犬にあえて与える食材ではありません。中には犬が食べても大丈夫とされるナッツ類もありますが、肥満や腸閉塞、中毒の恐れを考えると、与えない選択肢をしたほうがいい、といえるのではないでしょうか。
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