犬の中でも日本でダントツの人気を誇るのがトイプードルです。
その人気ぶりは、社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)登録頭数で2008年から現在まで10年間、連続1位を記録し続けていることでもわかります。もしかしたら、これから飼ってみたいと考えている方も多いのではないでしょうか?
そこでトイプードルの性格や特徴などをご紹介したいと思います。トイプードルは最近出てきた品種のように思われがちですが、実は意外とその歴史は深く、主にヨーロッパで愛されてきた歴史があります。特にフランスではトイプードルが昔から大人気です。
そんなトイプードルの歴史や特徴についてご紹介します。
トイプードルの歴史
トイプードルは18世紀半ばから後半にかけて生み出された、スタンダードプードルを小型化した品種です。プードルは水辺で漁を行っていた犬や水中作業犬をルーツに持っていると言われており、今でも泳ぎが得意な子が多くいるそうです。
トイプードルの原産地は?
プードルの正式な原産地はフランスとなっていますが、ヨーロッパの各地に古くから存在していたため、はっきりとした起源はまだわかっていません。プードルは有名な品種ですが、まだまだ謎が多く残されている品種です。
プードルは全部で4種類に分けられる
小型の品種であるトイプードルは水中作業犬のスタンダードプードルから生み出されたのですが、実はプードル は大きさごとに4種類に分けられます。
プードルの原型であるスタンダードプードルは一番大きく、体高は45~60cmほどのサイズになります。
さらに体高35~45cmのミディアムプードル、体高28~35cmのミニチュアプードルと小型するための品種改良が繰り返され、現在もっともポピュラーとなっている体高24~28cmのトイプードルが生み出されました。
また、体高が23cm以下のプードルはタイニープードル、ティーカッププードルと呼ばれることがありますが、正式に犬種として登録されているわけではないので、どれだけ小型に品種改良されていようともトイプードルと同じ扱いになります。
芸達者な犬がほしくて作られたトイプードル
トイプードルの前につくられたミニチュアプードルは、もともとサーカス用に芸を仕込めて、かつ飼いやすい犬を作るために生み出されました。
そのミニチュアプードルを家庭でもさらに飼いやすく小型化したのがトイプードルです。
芸達者なミニチュアプードルの気質を受け継ぐトイプードルは、とにかく芸が多才で、現在でも動画サイトなどでトイプードルがご自慢の芸を披露する姿がたくさん公開されています。
トイプードルはいつから日本で人気になったの?
日本では昭和24年からミニチュア・プードルの飼育が始まりました。2000年代に入るとトイプードルの人気が急上昇し、2008年度から現在に至るまでの10年間、飼育頭数1位を誇り続ける人気犬種となっています。
トイプードルの特徴
人気のトイプードルですが、性格や見た目にはどのような特徴があるのでしょうか。
トイプードルはとっても遊び上手な性格
またトイプードルは活発で、足の筋肉もしっかりしているので遊んだり運動したりすることが大好きです。そのため小型犬ですが日々の散歩も絶対に欠かせません。なぜかというと運動や遊びが大好きなので、これが足りないとストレスで困った行動が増えやすくなる傾向があるからです。
これから飼うなら定期的にトリミングを行うことと、トイプードルの「散歩欲」や「遊びたい欲」をいかに満たしてあげるかが、飼育のポイントと言えるでしょう。そしてこの2つのポイントは、飼い主さんに最高の「犬を飼う喜び」を与えてくれるはずです。
抜けにくい巻き毛が可愛いトイプードル
トイプードルの毛はくるんとした巻き毛です。
この被毛は抜けにくいため犬アレルギーの人でも飼いやすいというメリットがあるのですが、巻き毛がとにかく絡みやすいため、定期的なブラッシングとトリミングが欠かせません。
トイプードルはお手入れに手間暇かかりやすいわんちゃんなのです。この「お手入れ」がたまらなく楽しいという飼い主さんもいます。おしゃれが大好きな女性なら、この気持ちがわかるのではないでしょうか。
トイプードルは毛色の種類がバラエティ豊富
またトイプードルを始めとしたプードルは、毛色のバリエーションの多さにも特徴があります。
ジャパンケネルクラブに認可されている色だけでもなんと14色もあるため、これから飼うならどの色のわんちゃんがいいか悩む人も多いのではないでしょうか。
毛が伸びるのでトイプードルはいろんなカットが楽しめる
トイプードルは毛色もバラエティ豊富ですが、カットの種類も実はたくさんあるんです。最近はまるでクマのぬいぐるみのように仕上げるテディベアカットが人気となっていますが、他にもアフロのようなボンバーヘアーやモヒカンスタイルなどもあります。
種類の多さはヘアカタログができてしまいそうなほど豊富なので、トイプードルを可愛くお手入れすることに無上の喜びを感じてしまう飼い主さんも多くいるのでしょう。
トイプードルの色別性格の特徴
トイプードルといえばとにかく頭が良く、遊びや運動が大好きで、飼い主さんにも従順な犬種ですが、実は「毛色」によって性格が違うと言われています。
毛色別にどんな性格の子が多いと言われているのか、一部の毛色の性格をまとめてみました。
ただし、あくまでも「こんな性格が多い傾向がある」というだけで、同じ毛色でも1匹1匹違った個性がありますので、参考程度に考えておいてください。
レッド
トイプードルの中で、最も自立心が高いと言われているのが「レッド」のわんちゃんです。
レッドに似た色、アプリコットのトイプードルも、レッドに似ていると言われています。レッドの子は自分の考えで動くことを好みます。
また活発で遊ぶのが大好きな子や、他のわんちゃんと戯れることが大好きな子なら、気後れすることなく群れに入っていき、大勢のわんちゃんと仲良くなろうとします。こんな子に出会えたら、飼い主さんも犬友だちがたくさんできてしまいそうですよね。
ホワイト
利発で大人しい子が多いと言われているのがホワイトのトイプードルです。
頭が良くてしつけしやすく、飼い主さんを遊びに誘うのもとっても上手。また、おねだりも上手です。
そのせいかホワイトのトイプードルは、他の子よりも甘えん坊な子が多いとも言われています。
頭がいいので飼い主さんがどんなことをすると喜ぶのか、実はよくわかっているのかもしれませんね。
またホワイトの子は大人しいので小さいお子さまがいる家でも飼いやすく、ブリーダーやペットショップでも「最初に買うなら、飼いやすいホワイトかブラックがいいですよ」なんて勧められることもあるそうです。
クリーム
温厚で大人しく、マイペースな子が多いと言われているのがクリームのトイプードルです。
自分のペースを大切にするため一人遊びも上手なので、飼いやすいと感じる方も多いようです。
またクリームの子は家族に甘えるのも大好きで、べったりとくっついて離れないこともあります。
マイペースなので甘えたい時にはべったりで、一方では興味がない時にはつれないなど、気まぐれなこともあるかもしれませんね。
ブラック
利発で大人しく、ホワイトと肩を並べて「飼いやすい」とよく言われるのがブラックです。
また運動神経が良くて活発なので、外で遊ぶのが大好きなわんちゃんも多くいます。
ブラックの子は頭が良く働くので、他のわんちゃんと仲良くなる方法もすぐに見つけられ、社交性の高い一面があります。
そのためブラックの子は多頭飼いにも向いていると言われることがあります。
シルバー
マイペースながら、空気を読む力もあり、賢さがあるのがシルバーのトイプードルです。
一方でマイペースさが悪い方に働いて頑固さを見せるようになると、しつけに手こずったりすることもあるようです。
また神経質な一面があり、特定の人や犬にだけなぜか近寄ろうとしなかったり、安心できる場所ではないと遊んでくれなかったりと、独特のこだわりを持つ子もいるようです。
ブラウン
ブラウンの子もレッドやアプリコットの子と同じように、自立心が高く、気ままに振舞うことが多いと言われていますが、ややシャイで人見知り・犬見知りをする傾向があります。
またマイペースでこだわりが強いので、しつけに苦労することもあると言われます。
独立心旺盛で誇り高いということでもあるので、見守るつもりで根気よくしつけていくと良いかもしれませんね。
ブラウンの子はこだわりの強さを人一倍発揮することがあり、この強さがいい方向に働けば、飼い主さんに強い愛着を示してくれます。
性別ごとの性格の特徴
これからトイプードルを飼う方を悩ませるもう1つのポイントが「オスにするか、メスにするか」という問題です。
犬は性別ごとに性格が異なる傾向があるので、トイプードルは性別によってどんな性格の子が多いかをご紹介します。
トイプードルのオスの性格
オスのトイプードルは一般的に活発でやんちゃで、甘えん坊な子が多いと言われています。
また、他の犬と会うとテンションが高くなり、しきりに遊びに誘ったり、積極的に挨拶に行ったりします。
中にはテンションが高くなりすぎて攻撃をしかけてしまうこともありますので注意してください。
微妙な加減でいけない方向に育ってしまうこともあるので、しつけが必要かどうか、注意しながら見守ると良いでしょう。
他のわんちゃんにも飼い主さんにも甘えて遊びたがる子が多いので「わんちゃんを飼ったら一緒にたくさん遊びたい!」と考えている方には、トイプードルの男の子がおすすめです。
トイプードルのメスの性格
メスのトイプードルは比較的大人しく、他の犬と会っても動じず、落ち着いて振舞うことが多いようです。
しかし、大人しく振舞いながらも内心では他の犬に怯えていたり、警戒していたりすることもあります。
そのため他のわんちゃんが気に入らない行動をすると、突然スイッチが入ってわんわん吠えだすこともあり、要注意です。
また、メスは社交性が高い子と、他の犬や人にはあまり興味を示さないクールな子とでわかれる傾向があるようです。
後者の子だとドッグランやドッグカフェでもおすまし顔で過ごすことが多く、飼い主としてはなかなか遊んでくれず寂しい…なんてこともあるそうです。
早めに覚えさせたいトイプードルのしつけのコツ
最後にちょっとだけトイプードルのしつけの話をご紹介します。
トイプードルは頭が良いわんちゃんですが、何も教えなければ人間社会で生きていく術は教えてあげない限り学んではくれません。
困った癖に悩まされることが無いよう、しつけはしっかりと行いましょう。
特にトイプードルを迎えたら、まず教えておきたいのが「トイレ」と「噛み癖」しつけです。
この2つはわんちゃんと快適に過ごすために必須のしつけであり、人を傷つけてしまわないためにも必要不可欠なしつけと言えます。
トイプードルは頭の回転も早く従順なので、他のわんちゃんよりもしつけしやすいとよく言われます。コツさえつかめば、すぐに「ダメなこと」を覚えてくれる子も多いです。
覚えるスピードも早いので、安心して日々コツコツとしつけていきましょう。
トイレトレーニングのしつけ方
トイレを失敗しないためのトレーニングは、犬が人間社会で行きていく中で最も重要と言えるかもしれません。
家中でトイレをしてしまうようになると飼い主さんとしても困ってしまいますし、対策としてオムツをると犬にとってもストレスを感じてしまうかもしれません。
トイプードルをご家庭に迎えた場合、まずはトイレをしっかり覚えさせるようにしましょう。
トイレトレーニングは排泄のタイミングを見計う
トイレトレーニングをするにはまず「排泄のタイミング」を見計らうことが何より重要です。
排泄した後にトイレまで誘導しても、しつけの意味がわかってもらえず、かといってトイレに誘導するのが早すぎると「ここで何をするの?」とわんちゃんが戸惑ってしまうからです。そのためわんちゃんがトイレしたいタイミングで、トイレにわんちゃんを誘導することが大事になってきます。
トイプードルは頭がいい犬種なので、しつけを繰り返し行っていけば「ここでトイレすればいいんだ」ときちんと覚えてくれるでしょう。
間違った場所で排泄する癖をつけないように、「トイレしたそうな気配」にいち早く気づいてあげて、トイレまで誘導してあげましょう。
トイレしたいタイミングの見計らい方
トイレがしたくなった時に犬がよくする行動が「落ち着きがなくなり、床の匂いをあちこちくんくんと嗅ぎまわる」行動です。この行動が見られたら、すかさずトイレまで連れていきましょう。
わんちゃんごとにトイレに行きたくなるタイミングが決まっていることが多く、朝起きて一番にトイレする子、ご飯を食べた後にトイレする子もいます。
排泄行動が見られやすい時間帯も合わせてチェックしておくと、トイレにつれていくタイミングがつかみやすくなりますよ。
トイレトレーニングは声がけしながら行うと便利
トイレする場所にわんちゃんを連れていったら、声掛けしてあげながら排泄を促してあげると良いでしょう。
トイレする時になぜ声がけが必要なのかというと、この習慣を作っておくと、後々声がけすれば排泄してくれるようになったり、初めて行く場所でも「トイレしていい場所」を覚えさせたりできて便利だからです。
特にドッグカフェや友人の家、災害時の緊急避難場所など、慣れない場所へ出かけた時にとても助かります。
愛犬に掛ける声は「おしっこして!」「トイレは?」「ちっち」「しーしー」など、分かりやすいものであれば何でも構いません。
ただし、掛ける言葉は家族内で統一するようにして、必ず毎回同じ言葉を掛けてあげるようにしてください。
噛み癖を無くすためのしつけ方
トイプードルは活発で遊び好きな性格の子も多いため、テンションが上がって思わず人や物に噛み付いてしまうことがあります。
「悪気は無いんだから」と甘噛みを許していると、噛むのは悪いことでは無いと学習して、噛み癖が身についてしまうかもしれません。
他人や他所の犬にに噛み付いてトラブルが発生してしまう恐れもありますので、噛み癖をなくすためのしつけは重要となります。
噛んでいいもの・ダメなものを教えましょう
犬は何にでも興味を示しやすく、床に落ちているものや口が届きやすい場所にあるものはなんでも噛んでしまうことがあります。これが誤飲につながり、命に係わる事故に発展してしまうことも…。
そのためトイプードルを飼い始めたら床に近い場所にはなるべく物を置かないようにするのがおすすめです。
またおもちゃなどの「噛んでもいいいもの」と、うっかり口にすると危ない「噛んだらダメなもの」も早めに教えておく必要があります。
教え方は噛んではいけないものを口にした時に「ダメ!」と注意し、取り上げてから、噛んでもいいおもちゃを犬に与える方法があります。
噛んでもいいおもちゃを与えて、犬がそれを噛んだら「いい子」とほめてあげるのも大事です。ダメなことをしたら注意される、してもいいことをしたらほめる、を繰り返すことで「噛んではいけないもの」と「噛んでもいいもの」を徐々に覚えてくれるようになります。
甘噛みを途中でやめさせるのに効果的な3つの行動を覚える
幼いわんちゃんを飼うときに困りやすいのが、飼い主さんの手や足を「甘噛み」してくることです。
甘噛みをそのままにしておくと、人間を噛む癖がついてしまうことがあり、これが本気噛みに発展すると大変なことになります。そのため、早めに教えておきたいことが「甘噛みを途中でやめさせる」しつけです。
甘噛みをやめさせる方法は主に3つあります。
- 甘噛みしてきた時に、大げさに「痛い!」と反応して、犬がびっくりして噛むのをやめたら「いい子」とほめる方法
- 甘噛みしてきた時に、大きな音が出る道具を使い、犬がびっくりしたところを見計らってやめさせ、同じようにやめたらほめる方法
- 甘噛みしてきた時に「いけない」と教え、飼い主さんがその場から立ち去って、犬をひとりぼっちにさせる方法
どれが効果的かは犬によって変わってくるので、まずは1つずつ試してみて、犬に効果がありそうな方法を採用し繰り返し教えてみるようにしましょう。
成功したら愛犬にご褒美を与える
教えた通りの行動をとった場合は、すかさずご褒美を与えてあげてください。
ご褒美はわんちゃんが大好きなオヤツやオモチャでも良いですが、遊んであげたり、撫でてあげたりするだけでも、犬にとって十分なご褒美になります。
またトイプードルは頭が良く、人の表情を読み取ることが上手な子も多いので、ほめるときは笑顔で明るく振舞うようにすることも大事です。「覚えてくれてありがとう」という気持ちで、毎回笑顔でほめてあげてください。
まとめ
トイプードルは人懐っこく、陽気で愛らしく、誰からも愛されやすいわんちゃんです。また頭が良くしつけやすいので、まだ一度も犬を飼ったことがないという方でも飼いやすい品種と言えるでしょう。
日本で10年近く人気ナンバー1犬種を誇り続けているのは、抜け毛が少ないという大きなメリットがあると共に、トイプードルならではの愛らしさや賢さがあるからなのかもしれませんね。
ぜひこれからトイプードルと暮らしてみたいという方は、上記の毛色による性格の違いや、しつけ方など参考にしてみてください。きっと自分にとって「なくてはならない存在」になる、わんちゃんに出会えるはずですよ。
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