人間と同様に犬も早食いを続けていると健康を損ねてしまう恐れがあります。犬は自分では食事のスピードをコントロールすることができないため、飼い主が注意してあげる必要があります。そこで今回は早食いをしていけないけない理由と、すぐにできる対策方法をご紹介します。
犬が餌を早食いしてしまう理由・原因は?
人間と同じで犬の早食いも健康のことを考えるとよくありません。犬が餌を早食いしてしまう理由は人間とは違います。そこでまずは犬が餌を早食いする理由を紹介します。
味覚が発達してなくて味音痴
人間に比べると犬は味覚が発達していないので、食事をする時に味を楽しむという感覚がありません。味は人間も犬も舌にある味蕾で感じますが、犬の味蕾は人間の5分の1以下しかないといわれて、特に塩味を感じることができないとされています。
このような理由からも犬にとって食事は栄養補給にしかすぎず、自然と早食いになってしまうのです。
噛まずに飲み込んでしまう
ドッグフードは食べやすいように、噛まずに飲み込んでも喉に詰まらせることのないサイズに加工されています。ドッグフードを与えられた犬は噛む必要がないので、自然と噛まずに飲み込んで、気がついたら早食いになっています。
それだけでなく、犬の歯は肉を噛んで細かく刻むために尖った形状になっているので、食べ物を咀嚼するのに向いていないのです。
本能的に他の犬に取られないように
野生の動物は餌を他の動物に食べられないように、また餌を食べている時に襲われないために早食いです。狼が祖先の犬もその血を受け継いでいるので、自分の餌が他の犬に食べられないように本能的に早食いになってしまいます。
犬が餌を早食いすることで起きる5つのデメリット
早食いになってしまうのは犬の本能による部分が大きいですが、体にいいことではありません。犬が餌を早食いすることで体に悪影響を及ぼしてしまう恐れもあります。
早食いするとしっかり消化できず下痢になる
餌を早食いする犬ほど、噛まずに餌をそのまま丸呑みしています。噛まずに餌を飲み込んでしまうと唾液がほとんど分泌せずに餌がそのまま胃の中に流れ込んでしまい、胃などの消化器官に負担をかけることになります。その結果、下痢になってしまうこともあるのです。
食べ過ぎで太る
人間と同じで早食いすると胃が満腹感を感じる前に食べ過ぎてしまいます。毎回の食事で食べ過ぎてカロリーオーバーになることで肥満に繋がります。
犬の早食いは嘔吐につながる
犬が餌を早食いすることで嘔吐を繰り返すようなら対策が必要です。餌は口から肛門まで一方通行に流れるようになっています。もし早食いして食べたものを吐いてしまった時に胃酸が逆流すると、食道や胃の粘膜が荒れてしまいます。
それが原因で胃炎や食道炎、膀胱炎になるリスクも高くなると言われているので、吐く行為は非常に犬の体に負担をかけていることになります。
もし早食いが原因で犬が餌を吐いてしまった場合、吐いた餌をそのまま犬が食べるようなら様子をみましょう。反対に食べずに放置するようなら、無理に食べさせずお湯などで餌を柔らかくしてから少しづつ食べさせるといいでしょう。
嘔吐した後にぐったりしてたり、何度も嘔吐を繰り返すようなら早食いが原因でない可能性もあるので、そのような場合は病院を受診しましょう。
胃拡張や胃捻転をしてしまうリスクが高くなる
中型犬や大型犬によく起こるのが胃拡張や胃捻転です。胃拡張や胃捻転は何かしらの原因で胃の中にガスが溜まり、それによって胃が膨れたり、ねじれてしまう病気です。短時間でガスがどんどん溜まっていき、胃が膨れ上がってしまうことで他の臓器や血管を圧迫します。発症したらすぐに手術をしないと死に至る病気です。
胃拡張や胃捻転の原因はまだまだわからない部分も多いのですが、早食いがきっかけで起こる恐れもあると言われているので、飼い主が注意してあげる必要があります。
歯石がつきやすくなってしまう
餌を食べる時に咀嚼することで唾液が分泌されます。早食いする犬はほとんど噛まずに飲み込んでしまうため食事の時に唾液が分泌されません。
唾液には消化酵素としての役割だけでなく、歯の表面の汚れを洗い流す役割もあるので、早食いを続けていると歯石がつきやすくなってしまいます。さらに唾液には抗菌作用のあるリゾチームやラクトフェリンが含まれていて、歯周病を予防する働きもあります。早食いによって唾液に分泌が少ないと歯周病菌の繁殖を防ぐことができず、歯の健康を損なってしまう恐れもあります。
愛犬の早食いをやめさせるための4つの改善方法
落ち着いた環境で食事をさせる
自分の餌が取られないように、と思って早食いしているケースが多いので、餌を与える時は落ち着いて食べられる環境を作ってあげ方法が有効です。多頭飼いの場合は、一匹ごとにお皿を準備してあげましょう。
食感を変えて早食い防止
食べ物の食感を変えてあげるのも早食いを防止するのに有効です。具体的には次のような方法があります。
- 大きさや形が違うものを混ぜ合わせる
- 水分を含ませる
粒状になっているドッグフードを与える時は、メインのドッグフードに他のドッグフードを混ぜ合わせてあげるのも早食い防止に繋がります。ただし、たくさん与え過ぎてしまうので、量はメインのドッグフードの方でコントロールしてください。
ドッグフードをあげる前に水を入れてふやかしておくと、食べるのに時間がかかって早食い防止に繋がります。またウェットフードやヨーグルトなどを混ぜて、水分を含ませる方法もおすすめです。
ペットボトルやおもちゃで早食い防止
ペットボトルやおもちゃを使って、遊ぶ要素を加えることも早食いの防止に繋がります。実は遊びの要素を加えることによって、犬本来の狩猟本能を刺激して満足感も得ることができます。
ペットボトルを使う場合は、ペットボトルにドッグフードを入れて蓋をせずに渡します。すると犬はペットボトルを自分のスペースに持って行って、転がしたり倒したりしながら一生懸命に中のフードを出して食べようとします。そうすることで早食い防止になるので、ひとつの方法として取り入れてみるのもいいでしょう。
早食いを防止する専用の食器を使う
いつもの食器に誤飲してしまわないくらいのサイズのおもちゃを入れてあげるのも有効な方法です。犬が餌を食べようとするとおもちゃが動いて食べづらくなるので早食い防止に繋がります。
また、犬が餌を食べづらい形状になっている早食い防止用のお皿もたくさん販売されているので、これらのお皿を使うのもおすすめです。
犬の早食いを防止するお皿の選び方
犬のマズルの長さに合わせて選ぶ
マズルの短い犬には突起物が短いものを選ぶなど、犬のマズルやサイズに合わせてお皿を選びましょう。早食い防止用のお皿を選んでも、サイズ感が合わないと早食い防止の効果が得られないこともあるので、愛犬に合ったお皿を選ぶことが大切です。
早食い防止機能のある物を選ぶ
早食い防止機能のあるお皿にはゆらゆらボールタイプや凸凹タイプなど、さまざまなお皿があります。例えばゆらゆらボールタイプなら床に置いた時にゆらゆらと不安定なので、食事時間が自然と長くなります。他にも種類やサイズが豊富にあるのでネットやペットショップで見てみましょう。
形の違うお皿をいくつか準備する
犬は賢い動物なので早食い防止用のお皿を使っても、いつのまにか上手な食べ方を発見して、また早食いになってしまうこともあります。そうならないためにも数種類のお皿を用意して、何日かごとに変えてあげるといいでしょう。
犬のドッグフード早食いをやめさせる防止皿おすすめ5選
【早食い防止皿】グリーンフィーダー
■amazon価格:3,024円
マズルに関係なく使うことができるのが芝生型のグリーンフィーダーです。まるで芝生のようなお皿の上で散らばった餌を食べるため、楽しみながら食べることができます。
ドライ&ウェット両用タイプで、家にあるドッグフードを使うことができるので、早食い防止用のお皿としてまずは持っておきたい一枚です。
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ゆっくり食べれる食器
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シンプルなデザインでインテリアの邪魔にならないのが、ゆっくり食べれる食器です。食器の側面と中央に突起が付いていることによって一度の口に入れる量が自然と減り、早食い防止に繋がります。浅めのお皿のためマズルの短い犬におすすめです。
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OUTWARD HOUND ファンフィーダー
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ぐるぐる渦巻き模様の凹凸が特徴の早食い防止用のお皿です。3つの形×2サイズを展開しているので、いろいろな犬種にマッチします。ぐるぐる渦巻き模様の突起によって、自然と旋回しながら餌を食べるため自然と食べるスピードがゆっくりになり早食い防止に繋がります。
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マギッソペットボウル
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通常よりも1.5倍の鮮度を保つことができるのがセラミック製のマギッソペットボウルです。餌を入れる前にボウルを水に浸したり、蒸らすことでボウルが冷却されて、フードの鮮度を長く保つことができます。お皿の真ん中には骨の形をした突起が付いているので、早食い防止にも繋がります。
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OPPO フードボール
■amazon価格:2,916円
底の部分が丸みを帯びている、ゆらゆらボールタイプのお皿です。床に置くとゆらゆらと不安定ですが、起き上がりこぶしの原理で中のドッグフードがこぼれることはありません。深さがあるお皿のため、マズルが長い犬におすすめです。
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愛犬に早食いさせないようにして毎日の食事を工夫しよう!
早食いは愛犬の健康を損ねてしまう原因になります。だからこそ飼い主のみなさんが犬が早食いをしないように工夫をしてあげることが大切です。早食いしない環境を整えたり、お皿を変えることで愛犬の健康を守ってあげましょう。
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